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パラレル世界"平穏"[ギアス]
パラレル世界"騎士"の続き。
幼少ルルーシュ。ちょびっとだけ父、シャルル登場。
ロスカラ設定の女主人公。




ルルーシュとライラが出会ってから暫く経った頃。



ナナリーは車椅子ながらも元気に笑うようになり、視力が戻るのもそう遠くないと医師が言う程に回復した。



皇帝もライラの脅しが余程堪えたのか頻繁に見舞いに来たりするし、マリアンヌの暗殺に関してもきちんと調べている様子だ。



今までが嘘だったようにルルーシュ達を可愛がるようにもなった、が。




「ライラ、ルルーシュ、ナナリー!」


両手を広げて満面の笑みで近付く皇帝は色んな意味で怖い。


「…あの……ライラ?
父上が来たようですが…?」


皇帝が来るが早いかライラはルルーシュの目を自分の手で覆う。

そして、絶対零度の微笑みを皇帝に向ける。


「普通に来なさい、普通に。」


どす黒いオーラを出しながら言うライラに皇帝は、はい…と小さく返事をした。

これが今の皇室の日常である。

余談だが、冒頭のようなやり取りは日常茶飯事なため、皇帝のイメージはすっかり変わった。

皇族がそうなのを空気で感じた貴族達も右に同じだったりする。

よって皇族貴族の中で『謎の銀髪の美少女には逆らうな』という新たな不文律が出来てたりする。

当然、ライラが騎士として隣にいるのだからルルーシュ達も安全地帯にいる。

その証拠にマリアンヌを亡くしたにも関わらず貴族はルルーシュやナナリーに跪く。

マリアンヌがいた頃でさえ跪づかなったというのに、だ。

ルルーシュは改めてライラという人物の偉大さを感じた。

そして、そのライラの隣にいれる自分を誇らしく思えるようになっていった。

その気持ちが段々と恋情に変わってきている事にライラだけが気付いていない。

皇帝に笑顔で説教するライラを見上げてルルーシュは思う。


(ライラは自分の魅力を知らな過ぎるんだ……。)


ルルーシュを始め、他の皇族たちも美形は多い。

それも絶世の、とつくような美貌の持ち主もいる。

不本意だが、シュナイゼル辺りがそうだ。

でも、それ以上……別格の美しさをライラは持っている。

ナナリーやユーフェミアのような可愛らしさ。

コーネリアのような凛々しさ。

クロヴィスのような上品さ。

シュナイゼルのような気品、とあげていけばキリがないが、それらを全て持つのだからレインが絶世の美少女なのは想像に容易いだろう。

だが、レインの魅力は容姿そのものより雰囲気の方が強いかもしれない。

共にいると安らぐ優しい雰囲気に加えて、触れれば消えてしまいそうな儚さが恐怖を抱かせると同時に触れずにはいられなくなる色香を放つ。

それはの男女問わず発揮されるようでライラに一目惚れする人は多い…というか、ほぼ惚れてるような気がしてならない。

たまに見せるミステリアスな表情も、頭脳明晰な上に身体能力も高くて強いところも。

知れば知る程にライラに惹かれていく。

これでライラがモテない筈がない。

だからルルーシュは焦ってしまう。

今、傍らにいてくれるライラが遠くにいってしまうのではないか…と。

ルルーシュはぎゅっとライラの手を強く握りしめた。


「…? どうしたの、ルルーシュ?」

「あ……。」


レインはルルーシュが握った手に、もう片方の手を重ねてルルーシュと目線を合わせる。

すぐに自分に意識を向けてくれたライラ──嬉しいのにチクリと胸が痛む。

基本的にライラは真っ直ぐ瞳を見つめて話す。

それは誰に対しても同じだが、今のレインは屈んでいる。

その仕草をするのは自分や妹達と話す時だけ。

つまり自分がライラよりだいぶ背が低い証だ。

ルルーシュはライラより年下だから当たり前なのだが、そんなのは言い訳にならない。


(僕だってライラを守りたい。)


ルルーシュに生まれた小さな恋の種。

それはどんどん芽を出して、日毎夜毎に伸びていく。

その度に生まれる、まだルルーシュが知らない様々な感情。

その最たるものが“守られるだけじゃなく自分もライラを守りたい”というものだった。

守られて嬉しい気持ちもあるが、皇帝が現れる度に後ろに庇われたり目隠しされたりするのは格好悪いというのがルルーシュの本音。


「ライラ。僕、目隠しなんかしなくても大丈…。」

「駄目よっ!」


大丈夫、と言おうとしたルルーシュの言葉はライラの叫びにも似た声に遮られた。


「あれは…トラウマになる……。」


どことなくライラの顔が青ざめている気がする。


「トラウマなんて持たなくて済むなら、ない方が良いのよ。
いや、寧ろあれは人を殺れるわっ!」


レインは青ざめた顔のままブルブルと震える。


「あの…ライラ……?」


心配げに見上げるルルーシュの両肩をレインがガシッと掴む。


「だから私は君を守ると誓ったの、あのウザ花ロールから!!」


意気込みは十分伝わってくる。

嬉しい台詞を言われてる気がするけれど、一つ引っ掛かる。


「うざはろーる…?」

「“ウザくて頭に花が咲いてるロールケーキヘアーの皇帝”の略よ。」


訳がわからない単語にルルーシュが首を傾げるとライラはさらりと言った。

世界の1/3を占める領土を持つブリタニアの皇帝にこんな台詞を言えるのは世界中をさがしてもライラしかいない、とルルーシュ含め、その場にいた者達は心の中で呟いた。


「だからルルーシュ、ウザ花ロールが来た時は目を合わせちゃダメよ!」

「う、うん。」


真剣なライラに思わず頷いてしまった。


(…ライラって最強にして最恐だな……。)


ルルーシュは10歳にしてライラの強さと、ライラを守るには色々学ばないと駄目だと悟った。


「どうかした、ルルーシュ?」

「ううん、何でもないよ。」


ぎゅっと甘えるようにライラに抱き着いてルルーシュは心の中で固く決意する。


(ライラ…、僕は必ず君を守ってみせるから。)


穏やかに笑える、優しくて幸せな日々をくれたライラを必ず守れるように強くなろう。

ライラに好かれるような自分でいよう。

ルルーシュは改めて決意をしてレインに微笑みを返す。

そんなあたたかくて平穏な日々。



君がくれた優しい世界。


そこで生まれた小さな恋心は着実に芽を伸ばし蕾をつけていく──。



恋の花、咲く日まで後どれくらい?




2009.2.9.初出
2020.04.08.再掲載

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