[携帯モード] [URL送信]

狼の鳴く静夜
1(R18には*付けます。


俺はイラついていた。

いつもだったら傷一つつけられなかった
喧嘩も、今日は相手が30人以上いたからか随分と傷を負った。

まぁそれより相手をボコボコにして
追っ払ったが。




とにかくイラついていて、
誰かを殴りたい、そんな気分だった。

そんな時、ふと近くから物音が聞こえた。
俺が好きそうな、イイ感じの音。
俺は考える間もなく颯爽とその物音が
聞こえる場所へ向かった。

いいね、いい。
俺を楽しませてくれよ。


「おらぁ!!てめぇ口ついてんだろうが!!
俺から何盗んだって聞いてんだよ!!」


何か堅いものを殴る鈍い音。
俺も…俺も混ぜろ。

ガッ!


「ぐっ…!?いって…ぇ、てめぇ誰だ!
あぁ!?ぶっ殺され−−−」


ドガァッ!ドゴッ
あぁ、坊主だから頭掴み辛ぇ。
いいね、鍛えられてないこの脂肪。
筋肉と違って柔らかいから痛くない。

男は何か呻いていたがそんなもの俺には
これっぽっちも聞こえない。


「ははっ…あはははは!
いいねぇ、ははっ最高だぜ!」


みるみるうちに顔が膨れていく男。
側でただ俺を見てる襲われてたやつ。
辺りが血にまみれた頃、男を側のゴミ袋が溜まってる所へ蹴り上げた。

そして、側で見ていた男にも手をかけようとしたその時…。

ギュッ!
なんと、向こうから俺に触れてきた。
しかもなんの躊躇もなく血まみれの俺の
手を握った。


「お前すげぇな!俺の組にこねぇか!?」


「あぁ?」


何言ってんだコイツ。
すげぇハイテンションで耳がいてぇ。

俺は有無を言わずに男の顔面に蹴りを入れた。いや、入れようとした。
が、交わされた。


「あっぶねー!お前危ないって本当に!
ちょっと話しかけただけっ…て、おいッ」


マジか、嘘だろ。
俺が仕掛ける攻撃を、全部交わしやがる。
こんな奴、見たことねぇ!!
蹴り、かかと落とし、殴り、頭突き、全て交わす。何なんだコイツは。


「少しだけ話そう!!な?そしたら俺より
強い奴と戦わせてやるから!!」


コイツより強い奴がいんのか!!
コイツより強いってことは1対1で俺に
傷つけられる奴かな…。

俺は大人しく攻撃を止めた。

[次へ#]

1/14ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!