[携帯モード] [URL送信]

93゚
(09) -Side志紅-

 
「……って思う…詩遠?えっ詩遠!?」
 
詩遠にアドバイスを言っていると、なんか気配を感じない
 
不信に思ってふと横を見ると、顔を青白くして倒れている詩遠
 
そ、そうだ!!
遙さんに連絡!!
 
泣きそうになりながらも、携帯を取り出して遙さんの番号を押す
 
でも手が震えて上手く押せなかった
 
『…はい?』
 
「は、はる、かさん……詩遠が…ふぇっ.ヒック…」
 
『?……志紅君…落ち着いて』
 
やっと掛けられたと思ったら、言葉が詰まり単語しか出なくなった
 
遙さんに言われ、少し落ち着いた俺は今度はちゃんと言えた
 
『…それ、幸慈さんにも言っておいて下さい。すぐそちらに向かいます』
 
幸慈さんの番号を知らなかったから、詩遠の携帯からかけた
 
最初は不信がられ怖かったけど、説明したらすぐ来ると言って切られた
 
早く…来て!!
 
ベンチに座り詩遠の頭が、俺の太股にくるようにした
 
それに寒くならないように、薄いものだけど上着をかけてあげた
 
早く早く早く…
 
願いが通じたのか幸慈さんが来た。
 
………遙さんは?
 
「詩遠は!?」
 
急いできたのかスーツは着崩れている
 
詩遠を気遣いながら起き上がらせる
 
「チッ…遙は教会にいるからお前も来い」
 
幸慈さんは詩遠を横抱き…所謂お姫様抱っこをして走り出した
 
俺も慌てて幸慈さんの後を追う
 
この時声には出さなかったけれど……
 
なんで遙さんはここに来てくれなかったんだろう
 

[←][→]

9/17ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!