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93゚
(21)

 
結構話し込んでると、猫コーナーの入り口のほうが騒がしくなってきた
 
「なにがあったんだろうね…」
 
「さぁ?…ねぇそれよりこれからどっか行かない?」
 
んー…って幸慈待たせてるんじゃん!!
 
でもなぁ…幸慈に許可取れば良いかなぁ
 
でもなぁ…今まで待たせてたのに失礼かな
 
そう自問自答していると前に影が
 
「なにやってんだ?人を30分も外に待たせておいてお前は他人と茶か?あ゛ぁ゛?」
 
ビクッ
 
俺じゃなくて隣の男の人の肩が、不自然なほど飛び上がった
 
でも怒ってるよ〜…
何回も幸慈が怒っているのは見てきたから慣れてるけど…うん。
 
こわい
 
「おめぇも何誘ってんだ…え゛ぇ゛?」
 
ぎゃー!!!
男の人に殴りかかろうとしてる
 
これは流石にヤバイと思って止めに入ろうとすると、幸慈に腕を取られ店から離れていく
 
なに…まだなにも買ってない!!
プレゼントどうすれば良いの!?
 
「こーじ?まだ買って…「黙れ」ッ…」
 
ドスの利いた声に話すことが出来なくて、ずっと俯いていた
 
数十分して教会に着く
 
無言で車から出たからお礼を言い忘れた
 
少し遅れて俺も車から降りると、車に鍵をかける音が聞こえた
 
それを聞いて俺も突き放されたようで、涙が出そうになった
 
「た…ただいま…」
 
「お帰り!!……あれ?なにも買ってないじゃん」
 
俺の気分とは裏腹に蘭さんは、凄い元気な声で返事をしてくれる
 
俺は蘭さんに改めて挨拶し、苦笑いをした
 
蘭さんはなにか勘づいたようで、苦笑いを返してきた
 
リビングに行くと黒に包まれた衣装に着替えていた蓮さんの姿があった
 
どこ行くんだろう
 
「なにしてんだお前は」
 
「なに?もう帰ってきたの?今から結婚式があるのに…」
 
幸慈が蓮さんに話しかける
 
その時にはもう、声色は直っていて…なんだか複雑な気持ちになった
 
……蓮さんの事…好きなのかな?
 

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あきゅろす。
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