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93゚
(16) -Side??-

 
震えが止まらない
いや、息が出来ない…
 
この子の声を聞いてからずっと息苦しさを感じていた
 
幸慈さんが止めているのにも関わらず、声をあげている少年
 
「……ぁあ゛あ゛ぁあ゛…」
 
そんな少年を幸慈さんは抱き締めていた
 
さすが久原組の組長だ…これに動揺しないとは…
 
幸慈さんは抱き締めながら先程、少年に近付いた男を睨み付ける
 
この声と幸慈さんの睨みで、気絶しそうな勢いの男
 
馬鹿だな…なんでこんな奴が久原組にいるんだ
 
幸慈さんの目を見れば、この少年が特別な事くらい分かるのに
 
幸慈さんは組員がいる前で少年にキスをした
 
暫くして少年は我に戻ったのか、幸慈さんの身体を押す
 
それによって今まで息苦しかったのが、嘘のように消えていく
 
「ん…んゃぁ……ふぁっんくっ…」
 
少年はイヤラシイ声を出しながら、幸慈さんに抱き着く
 
周りの奴らは前屈みになりながら耐えていた
 
俺は気にも止めず男に立ち寄り、腰越しにある拳銃を取り出し背中に当てる
 
「今回は相手が悪かったですね…残念ですが逝ってください」
 
そしてそのまま裏口に男を押していく
 
さすがに教会で殺すのも…フェアじゃない
 
教会から数十メートル離れた場所、路地裏で最後に話す
 
「家族にはなんて伝えます?裏切り者として当然の報いです…そう言いましょうか。ではそろそろあの世へ」
 
バンッ
 
路地裏に男の声と拳銃の音が響いた――…
 

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あきゅろす。
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