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(15)
そう思っていると俺の前に影が
よく見ると蘭さんだった。
蘭さんは男の人から俺を隠すように立っていてくれていた
「あんまり、近付かないほうが良いよ?」
「あぁ…?お前は黙ってろよ!!!」
そう言って蘭さんを突き飛ばした
痛ってぇ…って言いながら腰を擦る蘭さん
それを横目で見て、嘲笑うかのように鼻で笑った
「本当だったんだな。ここの教会の管理人はデキてるって…しかも男ど…ぐぁぁっ「……黙れよ糞が、殺されてぇのか?あぁ?」…ヒッ」
男の人が蘭さんを批判しているといきなり倒れた
え…えぇぇ…!?!?
しかも男の人の顔の上にある足は蓮さんのものであって…
「蘭?大丈夫か?あぁ…身体が汚れた。また風呂入ろうな」
「あ、あぁ…大丈夫だから…なにもすんな」
「クスッ……蘭は面白い事言うね…。蘭に触った男を生かしておくの?甘いよ、蘭」
ビクッ…
いつもの優しい蓮さんじゃなくて、不敵に笑う蓮さんは凄く怖かった
蘭さんはそんな蓮さんに抱き着いて、なにかを必死に守ろうとしていた
「あ……あ…あ゛ぁぁぁあ゛ぁあ゛あ゛…」
怖くて怖くて怖くて。
ヤクザさん達が怖いとかそんな領域は越えていた
優しい蓮さん、強気な蘭さんを失いそうで怖かった
そう思ってたら俺の声から、あり得ない質音が出てくる
地を這うような…そんな声
止めたくても止められない
自分自身じゃないみたいで怖かった
そしたらこんな俺の状態に逸速く気付いたのは、幸慈だった
「詩遠…大丈夫だ…大丈夫だから…」
それを繰り返し言っていた
それでも俺の声は止まらない
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