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93゚
(11)

 
歌っていると何処からか声が聞こえる
 
『凄い…綺麗』
『うん。僕、あの人に遣えようかな』
『私も!!』
『これからは全力で力になろうよ!!』
『そうだな』
 
それが小鳥や猫・犬や風だと気付いたのは木や自然が俺に教えてくれたからだ
 
これから俺の世界が180゚変わった
 
歌い終わった後いつものように聴いてくれている、おばぁさんに話しかけられた
 
「優しい声をしているねぇ…孫にも聞かせてやりたいよ…」
 
おばぁさんの目を見るとその瞳には動画なのか…?
 
よく見てみると目の前が真っ暗になった
 
え…なに?
 
するとさっき見た動画が写し出された
 
おばぁさんが教会の近くの信号を渡ろうとしているときだった
 
反対側の車が信号無視をして、おばぁさんに突っ込んできた
 
おばぁさんは避けきれる訳もなく、その車に引かれた
 
車はひき逃げをした――
 
「――…おん!!紫穏!!どうした」
 
………目を開けると幸慈のドアップ
 
「…うぎゃぁぁぁああ!!」
 
び、び、び、吃驚した…
 
心を落ち着かせているとある数字が頭を掠めた
 
【63-02】
 
なんだ…これ
 
あっ!!!
 
「こーじ!!あのおばぁさんは!?どこ?」
 
なぜか気になって幸慈に聞きながら、信号のほうに目を向けた
 
おばぁさんは直に渡っていた
 
幸慈の手を振りほどき全力疾走で走る
 
身体がかってに動いていた。
反対側の車道からはさっきみた車が走ってきた
 
「危ない!!!」
 
そう言うとさっきのおばぁさんは振り向いた
 
駄目だ…間に合わない
と思ったとき俺の身体が浮いた
 
………え?
 
『お助けに参りました』
 
どことなく聞こえてきた声に不安にも感じたが、今はそんな事を心配してるつもりはない
 
車とぶつかる寸前で、俺はおばぁさんの身体を押すと共に、歩行者用道路に飛び出した
 

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あきゅろす。
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