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(02)
カン…ッカン
今、俺は憂と看板作りをしてる。布を看板に付けるために、釘でとめているところ。布に書かれている文字は " sweet time " だ。
デザインは唯さん。実は唯さんの実家はファッションデザイナーを営んでいる。たまにお手伝いするらしい。
「憂っ、ズレてる!!」
「あ?…ズレて、…ねえよ」
リズムよく鳴っていた釘を打つ音が外れていく。ついでに声も小さくなっていった。
シラーッと憂を見ると、だらだら汗を流している。でも、少しだけのズレだから平気だろう。
「憂…?
それぐらい平気だよ」
沙夜が優しく言う。憂の目は沙夜一色になる。…こうなると憂はもう使えないからなあ。
仕方なく俺一人で完成させることになった。約30分かけて完成できた。
それを茶月を預け、扉の横に立てかける。一息ついて休むことにした。
ここは文化祭や体育祭の時期になると、一ヶ月は準備時間として与えられる。その間、授業は一切なし。
「ああ、そうだ
執事服届いたみたいだから…試しに着てみない?」
奥から志紅と唯さんが顔を出す。もちろん着ることになり、俺の水色の執事服が配られた。少しだけデザインが違うみたい。
唯さん・茶月さん・憂は長いズボンに上着は燕の尻尾みたいに分かれてる。
俺・志紅・沙夜は短いズボンに白とイメージカラーのストライプのニーハイソックス、上着はベストになっている。
ブラウスはみんな一貫で首元フリフリの白。リボンはイメージカラー。
なかなか良いデザインだ。
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