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93゚
(02)

 
カン…ッカン
 
今、俺は憂と看板作りをしてる。布を看板に付けるために、釘でとめているところ。布に書かれている文字は " sweet time " だ。
 
デザインは唯さん。実は唯さんの実家はファッションデザイナーを営んでいる。たまにお手伝いするらしい。
 
「憂っ、ズレてる!!」
 
「あ?…ズレて、…ねえよ」
 
リズムよく鳴っていた釘を打つ音が外れていく。ついでに声も小さくなっていった。
 
シラーッと憂を見ると、だらだら汗を流している。でも、少しだけのズレだから平気だろう。
 
「憂…?
それぐらい平気だよ」
 
沙夜が優しく言う。憂の目は沙夜一色になる。…こうなると憂はもう使えないからなあ。
 
仕方なく俺一人で完成させることになった。約30分かけて完成できた。
 
それを茶月を預け、扉の横に立てかける。一息ついて休むことにした。
 
ここは文化祭や体育祭の時期になると、一ヶ月は準備時間として与えられる。その間、授業は一切なし。
 
「ああ、そうだ
執事服届いたみたいだから…試しに着てみない?」
 
奥から志紅と唯さんが顔を出す。もちろん着ることになり、俺の水色の執事服が配られた。少しだけデザインが違うみたい。
 
唯さん・茶月さん・憂は長いズボンに上着は燕の尻尾みたいに分かれてる。
 
俺・志紅・沙夜は短いズボンに白とイメージカラーのストライプのニーハイソックス、上着はベストになっている。
 
ブラウスはみんな一貫で首元フリフリの白。リボンはイメージカラー。
 
なかなか良いデザインだ。
 

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あきゅろす。
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