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93゚
(07)

 
はあ、はあ。と二人の荒々しい息が第二美術室に響く。先に息が落ち着いたのはやっぱり幸慈で、恨めしく思った。
 
俺が落ち着くまで背中を摩ってくれた。こういうとこ、好きかも…って最近、俺乙女になってない!?
 
「あっ!!…な、なに?」
 
いきなり下に違和感を感じて幸慈を見る。ソコには幸慈の指。
 
「ナカ、出さなきゃだろ」
 
「あ、んっ
まってよ!!…も、んっ」
 
俺に気を使うわけでもなく、強引に掻き乱す。一度は収まった熱もまた上がってきそう。最悪だ…っ。
 
 
第二美術室を出て少し歩くと、煙草を吸いながら壁に寄り掛かっている、忠ちゃん基忠先生。
 
き、聞かれたかな。嫌な汗が背中を流れた。軽く会釈して通り過ぎようとしたら、肩をポンポンと叩かれた。…バレてたっ!!
 
「忠ちゃん、久しぶり」
 
「んー?…ああ
だれかと思ったら姫じゃん」
 
キッと幸慈を睨めば、忠先生と仲良く話しているし。自分だけ余裕釈釈で…なんかムカつく。
 
「こーじの馬鹿っ、
変態っ、ひとでなしっ、鬼畜っ」
 
捨て台詞のように吐き捨てて、その場から立ち去る。とは言っても腰を気遣いながらだから、遅いけど。
 
後ろから幸慈が 「 じゃあな 」 と言うのが聞こえたから、少し足を早めた。まあ、すぐに追いつかれて腰を支えられたけどね。
 
ちょっと嬉しかったし、楽だったから許してあげることにした。幸慈を見ると、仕方ないなって顔で笑う。そのまま、だるい身体を預けた。
 
生徒会室に戻るのは気が引けて寮に送ってもらった。帰っちゃうのかなあ、って思っけど…。
 
「夜遅いし、泊めてくんねえ?」
 
普通はヤクザの組長がこんな台詞言うわけないとわかってるけど、こくんと頷いた。やっぱり幸慈は優しい。
 
と同時に俺の扱い上手いなあ、なんて思う。…なんか虚しいけどな。
 

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あきゅろす。
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