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93゚
(04)

 
「本家の方は大丈夫なの?」
 
なんか新入りが入ったとかなんとかで、忙しいと言っていたから…。それに噂によるとその子は幸慈が好きみたいらしい。
 
「今は平気。仕事は早めに終わらせるようにしてるからな。
……なにしょぼくれてんだ?」
 
「 なんでもないっ 」 イーッて歯を食いしばる。折角の2人の時間なのに、なんか変な空気になる。久しぶりだからかな…?
 
少し離れたところにいる、志紅と遙さんはすごく楽しそう。いいなあ、遙さんはすごく優しいし、でも志紅にはもっと違う優しさで接するし。
 
「詩遠はいつまで店番なんだ?」
 
「あ えっと…「もう終わりだよ」
 
俺の後ろから唯の声が聞こえる。幸慈は唯を一瞥してから、俺の手を取って生徒会室を抜け出した。
 
周りからの冷やかしはすごく恥ずかしくて逃げ出したかったけど、でも同時に少しだけ嬉しかった。
 
どこ行くのかと思ったら…あんまり使われていない第2美術室。
 
「変わってねえな
…忠ちゃんいねえし」
 
「ただし…?
あ、美術の先生か」
 
ていうか…幸慈の口から " ちゃん " って出てくるとは思いもしなかったよ。
 
「おら、ここに座れ
お前は色々考えすぎだ。分かりやすぎ。俺はお前にしか興味ないし、ましてや浮気なんてことしない。
 
今度ちゃんと紹介してやる。葎っていって俺の親友だ」
 
俺の泣きそうな目に指先で振れて苦笑い。もう、更に泣きそうだよ。
 


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