93゚
(19)
ご飯を食べているときに自己紹介をしてくれた
全員恋人持ちと聞いて安心
「詩遠、もうそろそろ行くんだろう?」
「あ、うん!!」
慌てて食器を片付ける詩遠に小さく笑う
俺がやっておく。と言うと素直に礼を言う
四方から視線を感じ、詩遠から目を避ける
「なんだ。お前ら」
みんなが俺を見ていた
「いえ…溺愛しているなぁって思いまして」
唯がポケーッと言う
肩がずれるような感覚になり、苦笑い
詩遠は赤面しているし…
「じゃなきゃ付き合ってないだろうが」
そうため息1つ
おぉー!!周りから歓声が聞こえるが、詩遠はタコみたいに真っ赤
なんなんだこいつら
呆れながらも、懐かしい自分の学生の頃を思い出した
今みたいに誰かの恋人が出てきたら冷やかして
「こーじ?
もう学校行くけど…」
詩遠の顔が目の前にくる
「鍵おいていけ。ポストに入れておくから」
キッチンに立ち、食器を洗い始める
ありがとう。と笑う詩遠を抱き締めたいと思ったのは言うまでもない
詩遠たちが消え、さっきまでの賑やかさはどこにいったのか…静まり返っていた
[←][→]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!