[携帯モード] [URL送信]

93゚
(18)

 
どうしたらいいか悩んでいると、詩遠が俺を紹介する
 
「えっと、久原こーじっていって…俺の…」
 
言葉を濁して俺をチラチラ見る
 
「詩遠の恋人だ」
 
俺は隠しもせず、詩遠の腰を引き寄せながら言った
 
この学校に通ってるぐらいだ
 
男同士なんて腐るほど見ただろう
 
「な、なぁ…」
 
手を口に当てている子の隣に立っている、少年が詩遠を呼ぶ
 
名残惜しかったが、そこまで餓鬼じゃないからな…詩遠の腰を離す
 
「くはらこうじ…って言ったよな?」
 
「え?…うん」
 
詩遠が肯定したあと、少年はあわあわ口を震わせた
 
「「しょ、しょ、初代姫!!」」
 
今度は詩遠と志紅、みんな叫んで俺を指差した
 
その叫んだ内容に驚いたのは、詩遠と志紅だった
 
まぁ…そうだよな
 
こんな仏頂面のやつが初代姫なんて
 
「えっ、こーじ?」
 
「あー…なんで知ってんだお前ら」
 
頭をかきながら問うと、最初に確認した少年が答える
 
「あの、伝説なんです!!…初代の姫、王子、妖精、騎士、薔薇の貴公子、氷姫は!!
 
とても仲良しで美しいと聞いています」
 
自分のことのように嬉しそうに話す
 
軽く相槌をつきながら、席に着くよう進める
 
「今じゃ、氷姫じゃなくて眠り姫になっているんですよ?」
 
なんとなく、誰がどの名を持つのかは分かった
 

[←][→]

18/20ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!