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(08)
『いきなり…二人の行方が分からなくなりました。なにか知りませんか?』
『知るもなにも、気付いているだろう?…この桜鳳会が殺したんだ。邪魔なんだよ…あいつら』
だんだん声が大きくなっていく
更に足を進めると…桜鳳会の会長の隣に、葎が立っていた
あの頃に比べ、全然かわっていないのに驚いた
「こんにちは。会長さん」
無表情で会長に挨拶をする
会長が振り向くのと同時に、葎もこちらを向いた
葎が息を呑んだのがわかった
「幸慈さん…」
「遙。よくやったな」
薄く笑い、葎を見る
目が合うと慌てて会長の傍に寄る
眉がピクッと動く
いや、俺には詩遠がいるけど…ここまであからさまにやられるとなぁ(只今、動揺中)
「会長さん。答えてもらおうか?…何故二人を殺した」
銃を前に構えながら聞く
「おいおい。いいのかよ?…俺を殺したら葎は居場所なくなるぜ。わかってんだよ…葎はお前の元親友だってな」
「アホかお前は。元じゃなくて、今もそうだ」
葎を見ながら言うと、葎はプルプル震えながらこっちを睨む
睨まれるようなことしたか…?
はぁ、とため息をつくと葎が会長から銃を奪う
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