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93゚
(08)

 
『いきなり…二人の行方が分からなくなりました。なにか知りませんか?』
『知るもなにも、気付いているだろう?…この桜鳳会が殺したんだ。邪魔なんだよ…あいつら』
 
だんだん声が大きくなっていく
 
更に足を進めると…桜鳳会の会長の隣に、葎が立っていた
 
あの頃に比べ、全然かわっていないのに驚いた
 
「こんにちは。会長さん」
 
無表情で会長に挨拶をする
 
会長が振り向くのと同時に、葎もこちらを向いた
 
葎が息を呑んだのがわかった
 
「幸慈さん…」
 
「遙。よくやったな」
 
薄く笑い、葎を見る
 
目が合うと慌てて会長の傍に寄る
 
眉がピクッと動く
 
いや、俺には詩遠がいるけど…ここまであからさまにやられるとなぁ(只今、動揺中)
 
「会長さん。答えてもらおうか?…何故二人を殺した」
 
銃を前に構えながら聞く
 
「おいおい。いいのかよ?…俺を殺したら葎は居場所なくなるぜ。わかってんだよ…葎はお前の元親友だってな」
 
「アホかお前は。元じゃなくて、今もそうだ」
 
葎を見ながら言うと、葎はプルプル震えながらこっちを睨む
 
睨まれるようなことしたか…?
 
はぁ、とため息をつくと葎が会長から銃を奪う
 

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