93゚
(06)
1人、広い本家でボーッとする
「お前は、」
後ろから声が聞こえて振り替える
「李以か」
「葎のことも大事だろうが…気付いてんだろ?桜鳳会が詩遠の」
そこまで言われて、李以にストップをかける
俺だって馬鹿じゃない
でも…葎は俺の親友で、大切な存在なんだ
それこそ兄弟も同然だった
「詩遠のこと…考えてやれよ。両親に棄てられたと、お前の恩人を恨んでんだ。葎を助けたいなら助ければいい
まだ葎も手を加えたというのは…ないんだろう?」
その言葉で俺の身体は動いていた
葎も大切だが…今は詩遠が俺の中にいる
車にキーを差し込みエンジンをかける
詩遠の笑顔を思い出す
その笑顔が正孝さんと幸恵さんに似ていた
詩遠は2人と似ている
ちゃんと愛情を受け継いでいる
…なのに、恨んだままなんて残酷すぎる
怪我人は多数出ると思うが、みんな覚悟の上だろう
内ポケットに入っている銃を取り出す
銃弾七発ぶんあるか確認し、車にも置いてあった銃を腰にかける
まずは葎以外の桜鳳会をぶっ倒して、葎に話を聞く
それからのことは葎の話次第で決まる
1つ息をついて、桜鳳会のところまで車を走らせた
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