[携帯モード] [URL送信]

93゚
(06)

 
1人、広い本家でボーッとする
 
「お前は、」
 
後ろから声が聞こえて振り替える
 
「李以か」
 
「葎のことも大事だろうが…気付いてんだろ?桜鳳会が詩遠の」
 
そこまで言われて、李以にストップをかける
 
俺だって馬鹿じゃない
 
でも…葎は俺の親友で、大切な存在なんだ
 
それこそ兄弟も同然だった
 
「詩遠のこと…考えてやれよ。両親に棄てられたと、お前の恩人を恨んでんだ。葎を助けたいなら助ければいい 
 
まだ葎も手を加えたというのは…ないんだろう?」
 
その言葉で俺の身体は動いていた
 
葎も大切だが…今は詩遠が俺の中にいる
 
車にキーを差し込みエンジンをかける
 
詩遠の笑顔を思い出す
 
その笑顔が正孝さんと幸恵さんに似ていた
 
詩遠は2人と似ている
 
ちゃんと愛情を受け継いでいる
 
…なのに、恨んだままなんて残酷すぎる
 
怪我人は多数出ると思うが、みんな覚悟の上だろう
 
内ポケットに入っている銃を取り出す
 
銃弾七発ぶんあるか確認し、車にも置いてあった銃を腰にかける
 
まずは葎以外の桜鳳会をぶっ倒して、葎に話を聞く
 
それからのことは葎の話次第で決まる
 
1つ息をついて、桜鳳会のところまで車を走らせた
 

[←][→]

6/20ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!