93゚ (26) -Side詩遠- ゾクッと背が凍るような、視線を感じ後ろを見る 特に変わった様子はなく、首を傾げて眠い授業に集中する その時俺は気付かなかった――…そんな俺を愛しそうに見つめる熱い視線に 「あー…やっと1日終わったよ」 「詩遠寝そうだったでしょ?」 クスクス笑いながら寮への道を歩く あれ? 志紅って寮生だったけ? 疑問をぶつけると 「遙さんが、志紅くんも危ないからって…もう本当優しいよねぇ」 ノロケをかまされた はいはいと軽く流し、寮の寮長室にチャイムを鳴らす もう待ってよ!!と焦った志紅の声 「はいはーい」 「これからお世話になります。詩遠ですが…」 「あー…はいはい。待っててね」 隣では志紅がこれから俺も寮生だから。とカウンターから顔を出し言う またもや寮長はダルそうな声を出し、なにやら紙を渡された 「そこに名前と寮室番号、生年月日とか質問に答えて」 お前はキー貸して。と志紅に命令口調 でもネクタイの色からして、俺たちと同じ二年 あ、この学校はネクタイで学年がわかるの 一年は赤、二年は青、三年は白って だからこんな親しそうな口調なのかな?…志紅、一応生徒会長だし 意識を紙に戻し、質問にペンでチェックを入れていく 簡単な質問しかなかったから、早く終わった [←][→] [戻る] |