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君との距離3cm*企画物


――今日の夜、屋上に来てください。―


と梓君からメールが来たのは夕方のことだった。

今日は何かの記念日だっただろうか?
しかしあいにく覚えていなかった。


それから数時間後、約束した時間になったので屋上へ向かうことにした。


『ふー、少し寒いな。』

屋上への扉を開けてみると風がすーっと入ってくる。
この時期の夜は少し肌寒い。


梓「あ、先輩!こっちですよ!」

梓君は先に来て場所を取ってくれていたらしく、こっちこっちと手を振ってくれた。



私と梓君は屋上にあるベンチに腰を下ろした。


梓「・・・今日僕が何で先輩を呼んだか分かりますか?」

『・・・何かの記念日だから?』

梓「違いますよ。ほら、今日はこの時期一番星が綺麗に見える日ですよ。」

『あ!そう言われてみれば・・・。』

空を見てみると星が一面に広がり綺麗だった。
何でそんなこと知ってるの?と聞いてみた。


梓「宇宙科の先生がこっそり教えてくれたんですよ。だから二人だけです。」

二人だけの屋上は静かだ。
だけどたまにはこんなのもいいかもしれない。


梓「星と僕達の距離って遠いですよね。」

『そうだね。何億光年とかだからなぁ。』

梓「もし僕が宇宙飛行士になったら何億光年も離れた星々を近くで見ることが出来る・・・。」

『・・・梓君ならなれるよ。』


梓君の夢は純粋に応援している。
だけど梓君が遠くに行ってしまうみたいで心がもやもやした。


梓「・・・・・でもまだその夢は叶えたくないです。」

『え?どうして?』


だって・・・と私を抱きしめる。
いきなりのことでびくっとしたが、梓君のぬくもりでだんだん落ち着いていった。


梓「だって、こんな近くにずっと見ていたい存在が居るんですから。」

とにこっと笑う。

そういうところずるいと思う。
私だってずっと居たい。


出来るだけ長く、こんな時間が続くようにと願った。




君との距離3cm


――――――――――――――――――――――――
リクエストの梓君夢でした。

書いてるうちに甘夢になってしまいましたがこんなのでいいんでしょうか・・・
相変わらずの駄文ですみません;

リクエストありがとうございました!





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