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TRANSACTION【BL】
努力1


高校に受かったことで大団円なわけではなく
俺にはまだやらなければならないことが
たくさんある。

それは、学校の成績でトップを
飾り続けることは当たり前だが、
取り敢えずは、


「よぉ燐!」

「あ、おはようございます。っと・・・」

「鷹羽だ!そうだよなあ、この組人多いから
いくら若くても覚えるの大変だよな」


旭組の組員の名前を全員覚えること。


いや、この間飯食ってる時に
紹介されながら薄々感づいてはいたが
人が、本当に、多い。

それも、常に屋敷にいる人と
そうでない人がいるから、
余計に混ざって難しい。

旭に聞いたらざっと100人は
いるんだそうだ。

もう屋敷にきて二ヶ月くらいは
経ったものの、俺はずっと部屋に篭って
勉強していたから、名前は
東さんと料理担当の大杉さんくらいしか
わからない。

あぁ、あと今すれ違った鷹羽さん。

名前格好いいな。
ついでに顔も。

すれ違う人すれ違う人が全員
知らなかったら、俺自身も気疲れするし、
向こうも取っつきにくいだろうと思って、元々人が好きな俺は、頑張って全員
覚えることにした。


「よっ、燐おはよう」

「荒谷さん!おはようございます」

「あれ、何で俺の名前知ってんの」

「覚えたんですよ!」

「おぉ、嬉しいなあ。
皆もその調子で呼んでやれ。
多分喜ぶぞ。燐は皆の息子みたいな
もんだから・・・っと、やばいやばい」

「え?」

「燐」

「あ、旭・・・何で怒ってんだ?」

「若頭、俺失礼します・・・」

「まぁ待てよ荒谷。
ゆっくり俺の部屋で話していかねぇか」

「いえ!お断りします!」

「誘ってんじゃねぇ。
これは命令だ」


何だかよくわからないが、
とにかく荒谷さんは旭に
連れていかれ、俺の第1回成功者は
消えてしまった。

この調子でいけば、なんとかなるだろう。

しかし、常々思うが旭は口が悪いな。

ヤクザにでもなるとどうしても
あんな口調になってしまうのだろうか。

・・・俺は気をつけよう。

そんなこんなで、俺は一つ目の
やらなければならないことを終了する
兆しが見えた。





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