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TRANSACTION【BL】
悪夢4


朝の木漏れ日が眩しくて、
俺は目を覚ました。


一瞬にして、我に返る。

昨日、俺の両親は死んだ。

悪夢だったらいいのにと目を瞑った。
もう、両親は戻らない。

あの脱力した、まだ温もりが
残っていたからだ。

あの瞼がめくれ上がったかのように
睨みつけた瞳。

全てが、生々しく感覚に
刻まれていて、寝心地も
酷いものだった。


と、目頭が熱くなった所で気がついた。


俺の、家じゃない。

俺の布団じゃないし
俺の制服じゃないし


「てめぇ今日は飯一人分多く
っつったろうが!!あぁ!?
聞いてなかったのかてめぇ!!」

「ひっ、申し訳ありません若頭!
昼食の際はこのようなことのないように
致しますので!
何卒お許しください!」


なんかちょっと、聞き覚えのある声だ。















「おい、入るぞ」

起きていたが何となく寝た振りを
してしまった自分を恨みたい。

背後から凄くオーラが発されている。


「てめぇ…人ん家でいつまでも
寝てんじゃねぇぞ!!!」

「っ!」

「ったく、起きてんじゃねぇか」


どすっ、と後ろで座る音がして、
俺は上半身を起こしてその人物を見た。

紛れもない、昨日俺を助けてくれた
男だった。

髪をオールバックにした、
齢27くらいの男。

確か、昨日若頭とか…。


「何人の顔じろじろ見てんだよ」

「別に見てるってわけじゃ…」

「お前、親が死んだのか」

「あ…?」

「神島組の取立てに耐えられなくて
死んだんだろ」


そう言えば昨日神島組が
どうとかも話してたな。

あの化け物がいるヤクザの組か?


「俺の両親は、あいつらに殺された」








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あきゅろす。
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