TRANSACTION【BL】
悪夢3
あと一歩で車に入る、
その時に、ある男の声が
俺の首の皮一枚をつなげた。
「そんな若いの拉致するなんて、
どういった経緯だ」
「あぁ、旭組の。
どうしたんですかこんな所で」
「俺の質問に答えろ」
俺を掴んでいた男達はため息を
つくと、無理やり俺を押し込んだ。
「あんたの組には関係ないでしょ?若頭」
「神島組の取立てには毎回忠告を
していたはずだ。
度が過ぎると関西からお咎めがくるぞ」
「へーへー、気をつけまー……
おいおい嘘だろあんた。
こんな所で物騒なもん出してんじゃねぇよ」
「そいつを下ろせ」
「神島さんが知ったら、抗争だぞ」
「そうはならない。
俺が直々に後で話に行くからな」
「…っ」
ズルズルと外に出されたかと思えば、
スーツ越しに人の温もりを感じた。
もう、どうでもいいや。
そんな思いで、今度こそ俺は
意識を手放した。
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