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liar girl
Deliberate lie

昨日の晩御飯同様に6人分の朝ご飯を作り、ラップをかけておく。

気付いたら5時やったし、あんなに何かに集中したのも久し振りちゃうかな。

とりあえず、4人が降りてくる前にと自分の分を食べ始める。

あんな事言ったあともあるから、顔は会わせたくない。

つか、そうなったら気まずすぎるやろ。

“嫌い”とか堂々と目の前で言って…。

アカン。

穴があったら入りたい。

けど…後悔はしてない。

決めたからには最後まで突き通すし、隠し通す。

…一番不安なのはメンツや。

1人の学力はともかく、対人に関しては一年トリオは頭良いやろうしあと、宮地もアホとはちゃうやろ。

そう考えれば考えるほど不安が大きくなるが、うちの不安なんかまだまだや、と気合いを入れ直す。

さてと、うちがやれる事を続けるとしますか。





Deliberate lie





部屋に戻りマウスを動かすと暗かった画面が明かりをとりもどす。

そばに置いてあったPC用のメガネをかけ椅子にすわった。

ちなみにPC用のメガネはブラウンをベースとしたアレやったりする。

とりあえず、検索に引っかかったサイトを片っ端から読んでいく。

現代文以外で初めて速読が役にたったかもしれへん、とか思いながらも目は字を追うが大半が掠りもしてない情報。

ごくまれに情報が手に入ったりするけど、殆ど知っている事ばかりやったりする。


『駄目や。目が限界』


右手の人差し指が痛くなってきた頃、目が痛くなってきた。

メガネしててこれって…してなかったら危なかったってことかいな。

メガネを一旦はずして、目頭を抑える。

30分ぐらいしたらまた戻るんやけど、それまでの間何をしようか…。

昼ご飯はサンドイッチを冷蔵庫に入れといたから大丈夫やろうし、晩御飯はまだAM10時過ぎだし早すぎる。


『あっ…。久しぶりに吹こっかな』


呟きながらクローゼットを開けてトランペットのケースを取り出す。

本体自体は余り重くないけど、ケースがほんま重い。

愚痴をいいながらケースを開け、手入れをする。

久しぶりって…3ヶ月ぶりか。

サイレントブラスといわれる音を小さくするのをベルのところに入れて、イヤホンをつける。

音も余り狂ってないか。

少し安心してとりあえずB♭〜A(ドレミでいうド〜シ)を何度か繰り返す。

思ったら引退したの中3の秋やから、もう一年半ぐらい経つんか…。

などと思い出しながら楽譜を出すために一回ベットに置いて譜面台も出してくる。

えっと…あったあった。

“Ca/n D/o”という題名を見つけて手を止める。

…今これを吹くのも複雑な気持ちになるけど、吹きたいからには仕方がない。

サイレントブラスをしているから聞こえないだろうし。

そう思い吹き始める。

一旦吹き始めるとついつい何度も吹いていて、完全に周りを見ていなかった。

まぁ…自分の部屋やし。

イヤホンつけとったし。

そりゃ、いつの間にか後ろにいた黒子に気がつけって方が無理や。

ほんとにいつ来たのか分からない黒子に気がついたのは高尾に肩を叩かれれたからである。


『ゴメン、気がつかんかった』

「いえ、馴れているので大丈夫です」

「流石テっちゃん!ミスディレクションは無敵だな」

「それ褒めてるんですか?というか…何時までも笑うならイグナイトしますよ?」

「げっ…わかったから拳しまってくれって。マジあれ痛いとかのレベルじゃないから…」


おぉ…

やっぱりイグナイトって痛いんや。

まぁ、ボールをぶん殴る技やしな…。


「高尾君はおいといて、話したいことがあるのでリビングに来てもらっても良いですか?」

『わかった』


多分届いたんだろうな。

流石速達、めっちゃ速いやん。

黒子に続いてリビングに行くと金髪SF組が叫んでるのが聞こえてきた。


「これでいいんだよな!」

「はい!多分そうッス!!」

「多分って、それで痛かったら轢くぞ!」

「俺だって話を聞いたことしかないから仕方がないじゃないじゃないッスか!?」

「モデルの癖にしたことないのかよ」

「んな、ひがいもうそうッスよ!」

「被害妄想って漢字で言えるようになってから言え」

「っ〜〜!いいから貸して下さい!」

「ちょ…お前取るな!!」

「ほらほらしっかりしないと余計痛いッスよ?」

「……………痛かったらリビングにあったパイナップル借りるからな」

「了解ッス」


…え?

もう開けてんの。

いや、いいんやけどさ…。

どうせ母が言ったんだろうなと思いながらも、すぐそばにある洗面所を二人と覗く。


「…あれ宮地さんだよな」

「おそらく…」


目を丸くして顔を見合わせる二人に苦笑いする。

まぁ、似合っててよかったわ。

イケメン臭が消えないのは仕方がないけど。


「あっ、三人ともどうッスか?」

「うん。涼ちゃんは宮地さん以上に違和感が仕事してない」

「ほんと似合いすぎですよ」


金髪もとい黒髪、黒目になったSF組を連れリビングに戻る。

…どうしよ。

ちょっとしかカツラとカラコンが仕事してない。

まぁ、あれならバレないかな……?


不安を抱えながらも母が出してくれたカルピスを口に入れる。


『んで、話したいことって…分かってるけど一応聞くわ』

「勿論この箱の中身について。自由に使ったらいいとは聞いたけど、それ以外は何も聞いてなかったからな」


そう言い宮地が指さしたのはカツラやカラコン、バスケットボール四個が入っている大きめの段ボール。


『中身についてって…見たとおりやけど?』

「そうじゃなくって、これらを買った理由ッスよ!」

『外出時、その派手な頭と目を隠すため。それとアンタらの練習用』


それ以外の説明の仕方が分からない。


「…確かに高尾君以外の人の頭は目立ちますしね」

「けど、ボールまでいいのか?全額出してくれてるんだろ??」

『別にこの間入賞したやつの賞金もあるし。別にいらんかったら返品するで?』

「有り難く使わせてもらいます」


まぁ高尾の言うとおり賞金が無かったらあんだけの数など、普通の高校生が簡単に買える金額ではない。

意外とカツラ高かったし。


『あと、言われたかもしれないけど外出時は必ず変装してや。面倒な事に巻き込まれるなんて御免やから。……自分達が“キャラ”ってことを忘れるな』


やっぱり堅い顔になった4人を横目で見ながらコップを流しにおいて二階へと上がった。


〜計画的な嘘〜

[*前者][後者#]

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