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「ノーギュ…これって…」
イズサイトは、ノーギュに目を向け、説明を求める。
「あぁ、正真正銘、魔法陣と呪文だな。この呪文に触れれば魔法が使えないやつでも発動できる仕組みみたいだが…。なんで、こんな所にこんなものが」
魔法を使えないイズサイトは、魔法に関する知識をほとんど持っていない。
魔法陣がどういう類の魔法を意味するのか、呪文の読み方も、書かれている文字を解読することも、できないし分からない。
今、魔法について詳しい知識を持っているのは、ノーギュだけ。
何も知らない自分が不用意に魔法陣に近づくのはよくないだろうと判断したイズサイトは、いまだに階段の上に立ったまま魔法陣と呪文を眺めているノーギュのもとまで行き、ノーギュを抱える。
そしてそのまま魔法陣の近くまで歩み寄る。
「これ、何の魔法なんだ?」
「移動系と封印系の連鎖魔法だな。最近でもよく使われる陣と呪文だ」
「どうしてこんな所に魔法陣があるんだ?」
「さぁなー。ここにこれを書いたやつに聞くしかないだろう。それから、問題なのはもう1つある」
イズサイトの質問に詳しく答えていたノーギュは、イズサイトの肩によじ登ると、肩に座り、魔法陣を指して、ため息をつく。
「もう1つ?なんだよ?」
「移動系と封印系の連鎖魔法って言ったよな?つまり、この魔法は、何かを封印した時にかけたんだ。移動系の魔法陣っていうのは1つの場所を指定したやつと、複数の場所を指定したやつの2種類あるんだが、これは1つの場所を指定してる。そして多分、この魔法陣を使うと同時に、何かにかけた封印が解ける仕組みになってるんだと思う。しかも連鎖魔法ってのは罠が仕掛けてあることも多いから、すごく危険なんだ。こういうことが多いから、連鎖魔法ってのは、意外にやっかいなんだ」
「へぇー…」
ノーギュの説明を聞いても、魔法を使ったことがない自分にはよく分からない内容だった。
だけど、ノーギュの説明を聞きながら、1つだけ疑問に思ったことを質問してみる。
「つまりさ、この魔法は使わない方がいいってこと?」
「できれば、な。でも、使って行った先に何かあるのは確かだ。階段と魔法、どっちを選ぶ?っていう選択肢なんだろうなー」

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あきゅろす。
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