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◇第一章◇ 物語は必然に始まる


かつて神も天使も人間も、ひとつの世界で平和に暮らしていた。

この世界では、神が世界の頂点に立ち人間達を守り、天使が神の命令を聞きながら人間と同じように生活し人間達を支えていた。
人間は、神と天使の恩恵を受けて生きていたのだ。

しかし今から数千年前、この世界は一度、闇に堕ちた。
原因は、人間のあまりに強すぎた欲望。

世界中の人間は1つの軍隊を結成して神と天使を滅ぼし、人間だけの世界を作ろうとしたのだ。

しかし、人間が神や天使に敵うはずもなく。
人間軍は2人の神と3人の天使にあっさりと敗北した。


―――被害状況報告―――
人 間 軍:人口が以前の3分の2に減少。
神と天使:人口変わらず。
――――――――――――


その後、人間達の悪行に怒った神と天使は、人間達を守ることをやめ、自分達の力を集結させ今いる世界とは別の空間に世界を作りそちらに移り住むことにした。

この世界は『幻霧(げんむ)』と名付けられ、神と天使はそこで悠々と暮らしていた。

人間達は神と天使に見放されたことで、最初に望んでいたように世界を手に入れた。


しかし。


今まで神と天使のおかげで生きていられた人間達は自分達だけの力で生きていくことができなかった。

天候は荒れ狂い、動物達は凶暴化し人間を襲い始め、人間の間では伝染病が流行し次々に人々を死に至らしめた。
人間の人口は、神と天使との戦いの後の半分にまで減ってしまった。

生き残った人間達は、絶滅を恐れ、神と天使に助けを請い始めた。

しばらくの間、神と天使は人間達の嘆願を無視していた。
だが、人間の数は急速に減るばかり。

その見るに見かねる状況に、神の長であるウィガット・ゼイクは、とうとう人間に手を差しのべることにした。

人間達は歓喜し、二度と、神と天使を裏切らないと誓った。

だが、その誓いを信用できなかったウィガットは、神は今までどおり『幻霧』に住むことにした。
そして天使には、戦いの前のように人間と共に住むように命じ、再び反乱を企てる者を討伐するための組織を作りその組織を管理させた。


その討伐隊の名は、『ニルーファ』。


討伐隊の人数編成は基本的に4人1組。
命令・統括は天使の長が行うこととなった。



そして現在。


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