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novel
ヒロイン

歴史に残る偉い人の一生は本になってみんなに読まれたりする


「偉い人だけじゃなくてさ普通の人の本もあればいーのにね。普通の人が生まれてから死ぬまでを書いた本」部屋でごろごろしていたら突然、綱吉が呟いた。
(たしかに…伝記?とかあるね〜それの一般人か…)


「それ読んでておもしろいのかな?」気になったので問いかけてみた。
「んー…おもしろくないかな、ハッピーエンドじゃないかも知れないし」
「…だね」(でも綱吉の本なら読んでみたいかも)


綱吉の本なら絶対幸せな気分になれると思う
その本に私は何ページ登場できるのかな
何ページじゃなくて何行かな
あれ…登場できるのかな


「でもさ、名前の人生は読まなくて良いかな」綱吉が微笑みながら言った。


それって…つまんないから?


「ざわざ読まなくても名前の人生何が起こるかはこの目でぜーんぶ見るわけだからさ本なんて必要ないよ、オレたちずーっと一緒だもんね」
「…ずっと?」
「うん。ずっと」
「大人になっても?」
「うん。ずーっと」


綱吉はそう言って、
にっこり笑った。


じゃあ私の本はハッピーエンドだね
















 ヒロイン
     (私の物語)

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