摂津の野良神サマ!
野良神・きり丸雪器:乱太郎,伴器:しんべヱ
「こんにちは、 ……あれ、今日は滝夜叉丸くんと三木くんバイトなんだ」
「おぉこれは八束ひなたさんではないか!さてはこの平滝夜叉丸の自慢話を聞きにこちらへ?」
「ううん、パンを買いに」
「コイツの相手はしなくていいです、八束先輩。今日も猫用のパンの耳ですか?」
「いやー…最近は猫ちゃん達、現れなくって…」
「おや、何かあったんですか?」
「んーちょっとね、シロだけは居るからみんな元気だろうけど…今日は、
最近できたお友達にお礼をね」
「お礼にパン……ですか?私ならエアガンとかのほうが嬉しいですけどね」
「うん、それ三木くんの趣味だよね。それにあの子たちは、
何よりタダと食べ物に目が無いみたいだから、いいんだよ」
「 …変わったご友人ですね」
三木くんと滝夜叉丸くんに見送られ店を出ると、
「……………わっ!!!」
「!?ひなたさんどうしました!?」
私は、“何もないところ”で驚いた。
「八束先輩?おい滝夜叉丸、何があった?」
「いや、先輩が何かにびっくりされて…如何なさいましたか?あ、まさか鼠!?」
「除鼠剤撒くかな…」
「ううん!何でもない!何にもないから!気のせいだったみたい」
「そうですか?」
そう、何にもないのです。滝夜叉丸くんと三木くんの目の前には。
でも、私には視えているのです。
―――――――――店先にうずくまる小さな妖が。
このパンを届けに行く友人とは、私が妖を視えるようになってしまったとき出逢った、
小さなカミサマとその神器くん達です。
「―――――――――乱太郎くーん!しんべヱくーん!きり丸くーん!ただいまー!!」
「どっちに向かって言ってんだよひなた。
俺らはこっちだっての」
「「ひなたさん、おかえりなさーい!」」
私の後ろに生える木の上に、きり丸くん達はいました。
「あ、ただいまー」
「いいニオーイ!ひなたさんこれ食べていい??」
ふっくらほっぺたの伴器、しんべヱくん。
「わーごちそうさまですひなたさん…ちょっしんべヱ!!僕らだって食べたい全部食べちゃ駄目!」
眼鏡をかけたふわふわ髪の雪器の乱太郎くん
「おぉっ!!タダ飯!タダ飯!!!」
…………………目を小銭にして喜んでいるのが神様の、きり丸くんです
「あひゃあひゃあひゃあひゃあひゃあひゃあひゃ!!」
どう見ても神様に見えませんが、彼らは正真正銘の、神様と彼の操る神器です
以前狼みたいな妖に襲われた時、助けてくれたのが彼らでした。
きり丸くんが「雪器」、「伴器」と名を呼ぶと、彼らはたちまち刀に姿を変えるのです。
「ひなたさん、今日は妖、見ましたか?」
「視たよ、思わず声あげてパン屋で働く後輩驚かせちゃった。なんかまっく●くろすけみたいだったよ」
「あーそんなの雑魚雑魚。ほっといても大丈夫だって」
「きりちゃんはずぼら過ぎるよー
最近時化てきてるのかな…」
「かもなー まぁひなたがお代払ってそいつ切ってくれってんなら受けたまわりますけどぉ?」
「そのまっく●くろすけだけでも3回は視たよ…」
「じゃー15円な」
「あーでたーきり丸のドケチー」
「ったりめーだろ!いつか貯めたお金ででっけぇお社建てんの俺は!」
「でもそのドケチが行き過ぎて人が寄りつかないんでしょー
ただでさえ私達マイナーなのに」
「マイナーは余計だ乱太郎! …けど、ひなたみたいな小娘が視えちまうくらいだから本当時化が気になるなー」
「小娘って、見た目だけだったら私のほうがお姉さんです!」
「こっちは何百年生きてっと思ってんだ!」
「時化なら食満先輩と善法寺先輩に相談しようよ!」
「しんべヱ、確かにそうだね!」
「食満先輩に、善法寺先輩?」
「あ、そのお二人はですね、私達n「会いたいか!?」
きり丸くんが乱太郎くんの言葉を遮って身を乗り出してきました。何だか悪い顔です。
「うん?まぁ、気になる、かな?」
「じゃあ会わせてやるよ!ただし、」
「ちょっときりちゃん!」
「紹介料、善法寺先輩と食満先輩のお二人で、しめて10円いただきまーす♪」
あぁ、やられた………
20131027
三人の服装はアニメの私服の柄イメージでパーカーとかジャージとか
例えばきり丸なら上オレンジと山吹のバイカラーに下紺色のジャージとスカーフ。絵で表現できたらいいんですけどねぇ…
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