摂津の野良神サマ!
はじまり
――――――――――学校帰りに、寄り道するパン屋さんとはもうすっかり顔馴染みとなりました。
「おばさんこんにちは!いつもの下さい。」
「いらっしゃいひなたちゃん。50円になります…またきてね!」
「はい!」
「―――――――店長、あの子よくパンの耳買っていきますよね。そんなに好きなんでしょうか」
「あの子ねぇ、ウラウラ山のとこの廃屋に棲みついてるノラ猫にえさやってるみたいなんだよ」
「へぇー いまどき珍しい…」
ウラウラ山の麓の古家に彼らはいます。
「ただいま〜ごはん持って来たよ。みんないい子にしてた?」
―――――――ニャア。
わらわらと寄ってきたのは、猫、ネコ、ねこ。ふっくらした子から毛並みのよい子までもふもふ可愛いです。
わたしは動物が好きです。特に猫がすき。幼い頃家で猫を飼っていた影響でしょうか。
今ではもう飼っていませんが、わたしは毎日のようにここで猫を愛でているのです。
この日も、彼らの肉球を堪能したらお暇するつもりでした。でも、違ったのです
(ピク、)
膝のうえの白猫が、耳をピンと立てて辺りを見渡しはじめました。
「しろ?どうしたの?」
フシャァアア。地面へ降りたって、草むらのほうこうを見据えひたすら威嚇しています。他の子も異変に気付いたのか威嚇したり、後ずさりしたりを始めました。
ざわざわ、と風がでてきて、陽が沈みかける頃でした。
―――――――――――――グルルルル………
茂みのかげからでてきたのは、ひとつ目の面をかぶった野犬でした。
20130925
※野良猫に餌付けするのは賛否あるので注意しましょう
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!