王者立海生の日常 カミツレ 秋風が、橘の金髪とよもぎの黒髪を撫でる 「………………ん。風、気持ちいいな 最近秋らしくなってきた」 『はい』 「…………………なんで呼ばれたのかわからないって顔だな、本当に心当たりないか?」 よもぎが驚いて隣に座る橘を見る 『!?わたし何かまた失敗しましたか!? ………………あっタオルのトリモチ!?おかしいな、あれは柳生先輩のタオルに仕込んだのに間違えてましたか!?』 「いや…………、そういうのはなかったが………………ていうか昨日話してた通りすごいな……… 先輩は大事にしなくちゃだめだぞ?」 そういうことじゃなくてな、 橘は困ったように笑うと、フ、と前を見据えた 「……………関東大会、立海戦で俺が負傷したのは知ってる………………よな」 『…………………………はい』 こくり、と頷くと、また橘が笑う 「だからそんなかしこまるなって。 …………………で、俺は念の為に入院したんだ そしたら…………………妙な見舞い客がいてな」 『妙な見舞客………………』 「あぁ。そいつは一回だけ病室に現れた。だけど、俺は姿は見てないんだ。丁度俺が検査中に来てたみたいでな 名前も告げず、そこにいた看護師に「これを橘桔平という人に渡してくれ」ってな。 …………………………制服から学校までは分かってたんだけどな、生憎当時は他校にコミュニティが無かったから、探すのに苦労したよ」 [*前へ][次へ#] [戻る] |