王者立海生の日常
甘えくらいに優しい彼女
「…………………………」
そんなよもぎを見て海堂は少し頬を染める
そして目線を反らすと あのよ、と切り出した
「全国大会の時…俺らの試合の後すぐ、乾先輩の病室まで来たよな」
「えっ?」
よもぎが驚いて海堂の顔を覗き込む
「………………どうして、それ……わたし結局病室まで入れなくて、」
海堂はよもぎの視線から逃れるように更に顔を背けると、ぶっきらぼうに続けた
「見たんだよ、……お前が待合室で泣いてるの」
「えっ///!!」
確かに全国大会の決勝戦、よもぎは乾の様子が気になって病院に走った
ベッドの上で包帯をぐるぐる巻きにして寝ている乾にびっくりして病院に足を踏み入れることができなかった
「どう声掛けたらいいかわかんなくてよ、そのうち草薙帰っちまって……悪ぃ…」
「いっ いや!!こちらこそお見苦しいところを…」
真っ赤になって俯くよもぎに、海堂はバツが悪そうに頭をかいた
「………………ありがとな、俺らは敵チームだったのに、心配してくれて
その、…………う、うれ…嬉しかっ……た……/////」
そう言って耳まで赤くする海堂に、よもぎは、
「………………どういたしましてっ」
微笑んだ
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