王者立海生の日常
裏切り
リビングの入り口に立っていたのはエイシュンだった
「エイシュンさん!!これ、わたしの携帯、皆のアドレスが……。なんで…!?」
よもぎがエイシュンを振り返って、詰め寄る
エイシュンはひどく冷たい視線を向け、言い放った
「……………………そんなの、
ワタシが全て削除したに決まっているでしょう」
よもぎが驚いてエイシュンの腕をとる
「なんで………!?なんで、そんなことしたんですかっ、」
「万が一、携帯を奪い返されたとき、すぐに連絡を取れないようにですよ
………………でも、別に必要ない連絡先だったんじゃないですか?
アナタの携帯、誰からも連絡が無、」
――――パァンッ
「――――――――――はっ、はっ……ふぅうっ、そんなこと………ないもん、
絶対みんな、心配してくれてたはずだもん………っ」
エイシュンの頬を叩いた形のまま、よもぎが肩で息をする
目に溜まった滴がこぼれないよう懸命にこらえていた
「………………。そうですか、まぁ アナタが何と言おうが、勝手ですがね」
よもぎの携帯のディスプレイには、新着のメッセージは無かった
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