王者立海生の日常 プロローグ 濃い緑色のブレザーに身を包んだ小さな女の子は、 一目散に入り口のほうへ向かっていっているようだった というか、あの制服は確か……? 病院内で全力疾走という 通常なら見ることのない光景を目の当たりにしながら、 俺は自分の病室に戻った 丁度、看護師の人がシーツを取り換えているところだった 少し違和感があったのは、 部屋が 何か林檎のような、花の香りがしたことだ 「あら橘くん、検査お疲れ様 お見舞いに女の子が来てたわよ?」 「女子?杏…妹ではなくてですか?」 「えぇ、お名前も言わずに これを橘くんに、って」 看護師さんがそれを取ると 一層華やかな匂いが強くなる 彼女が持っていたのは、――――― prologue end. [*前へ][次へ#] [戻る] |