降谷に抱かれて(裏夢小説)
1週間前の金曜日


こうしてパートナーを組んで3年目の11月。


零は結婚式を控えていた。


妻となる彼女は、美紀よりも若く、相当かわいいと噂のお嬢様だ。


ちょうど、美紀と零がペアを組んだ半年後くらいからつき合いだしたため、彼女の話は散々聞かされてきた。


だいたい愚痴から始まるのだが、結局はノロケ話にしか聞こえず、いくらつき合いの良い美紀でも邪険にしたくなる時もある程、ラブラブな様子は伝わってきた。


だから結婚する話を聞いた時は、単純に嬉しく思ったものだった。


ちょうど式まで1週間前の金曜日だった。


美紀と零は夕方からの打ち合わせを渋谷で終え、直帰になった。


半同棲中の零の彼女が今週末は実家に帰ってしまったというため、ご飯でも食べて帰ろうということで、零の好物の料理を、結婚祝いと称して美紀がご馳走していた。


会話の話題はいつものことで、仕事の話から、最近はもっぱら零の結婚話に。


いつものように、彼女の愚痴から、結局は仲いいじゃないですか、という話をしてばかりだった。


あまり酒を飲まなかった二人は、早々にご飯を食べ終え、21時前には店を出た。


「うわっ。結構寒いな。」


店を先に出た、零がハアーッと手に息をかけながら振り返る。


「本当ですね〜。」


美紀も両手で自分を暖めるようにしながら答える。


駅からは少し離れたところにいたが、二人は渋谷駅まで歩いて帰ることにした。


会話の話題はまだまだ零の結婚話だった。

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あきゅろす。
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