その差、約10cm
えーと、この状況どーすればいい?
先程、不覚にも唐沢先輩が可愛いと思ってしまい何だか複雑な心境ですが、今のこの状況も中々複雑だ。
今現在、唐沢先輩は俺に抱き着いている。
救いなのは先輩の胸板に俺の顔がない事だ。
流石に同じ男として、胸板に顔があるのは嫌だな。
詳しく状況を説明するなら、俺の鼻は先輩の頭の上にあり、先輩の顔は俺の首筋らへんにある。
俺の身長は185cm、先輩は多分175cmぐらい、身長差は約10cm。
あー、これからどーなんの?
てかこの状況いつまで続くの?
「あのー、唐沢先輩」
「何だ幸村?」
声を掛けると先輩は顔を上げた。
上目使いも様になってますね。
「いつまでこの状態でいるんですか?」
「……この状態は嫌なのか?」
はっきり言ったら嫌ですが、そんな悲しいそうな顔しないで下さいよ。
俺のガラスのマイハートが罪悪感感じるんで。
「…ぃや、もう暗くなりますし、最近物騒ですから、先輩も危険な目にあうかもですし……」
そうなのだ。
最近、この学校付近で生徒が襲われる事件が起きている。
しかも男がターゲットで、これまた襲われた男は美少年だったり美形だったり、見た目のいい男ばかりを狙った犯行だ。
しかも犯人はまだ捕まってないとのこと。
世も末だ。
.
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!