悪魔も喘ぐ夜
*
手を伸ばして箱からティッシュを数枚抜
き取って麗が飛ばしたものと麗自身のもの
の汚れを拭き取る。
初めての経験にボーっとしているのか、
麗は荒い呼吸を繰り返しながら俺のされる
がままになっていた。
「こうすれば、もう体もモヤモヤしないか
ら。
次からは自分でできるよな?」
腕の中でぐったりしている麗の髪を左手
で撫でながら言い聞かせる。
そう、俺が手伝うのは今回だけ。
あくまでも父さんの代わりだから。
「わかんなかったから、もう一回ぃ」
熱の名残りを吐息に残しながら麗が甘
えた声を出す。
「麗…」
「ふわふわして、よくわかんなかったん
だもん。
だからもう一回」
快楽で潤んだ眼差しが見上げてくる。
達した直後のなんとも言えない空気が麗
のうっすら上気した肌を包んで、同性だと
いうのになんとも言えない色っぽさを醸し
出している。
「ね、お兄ちゃん?
もう一回…」
魔性の子供がいるというのなら、それは
まさに麗のことじゃないだろうか…。
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