悪魔も喘ぐ夜
*
「あうッ!いたッ…!」
まるで咎めるように胸の突起を捻り上げ
られた。
兄貴が腰を止めないから上手く言えなの
に、今にも放ちかけていた高ぶりに“待っ
た”がかかる。
「お兄ちゃんに乱暴しないでっ!」
麗が兄貴を睨みつけて噛みついた。
兄貴は無言でその視線とやりあい、俺は
何度も貫かれながらも突起の痛みで達せな
い状況に陥った。
「兄貴、痛いっ。離してっ…」
こんな時に睨み合わないでほしい。
こんなふうに中途半端にされて、進むこ
とも戻ることも出来ないなんて辛い。
もうどっちでもいいから、するのかやめ
るのか…どっちかに落ち着かせてほしい。
「兄貴っ。俺、もうこんなのやだ!
抜いて!」
頼んでもいつまでも爪を突き立てること
をやめない兄貴に苛立って睨み合う二人の
集中を削ぐように叫ぶ。
すると、ふっと突起が解放された。
ほっとして兄貴の腰に巻きつけるままに
なっていた足を下ろす。
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