[携帯モード] [URL送信]

悪魔も喘ぐ夜
*


「いや、だぁッ!見ないで…ッ!」

 その目を塞いでしまいたい。

 耳も、唇も。

 こんな姿をじっと見つめて、麗が何を言

うのか怖くてたまらない。


 誰か…誰でもいいから、こんなのは悪い

夢だって言ってくれ…!


「お兄ちゃん…ぼくのこと、好き?」


 こんな時に何を、と思った。

 なんでここにきてそれを言うのか、と。

 今、兄貴に貫かれて喘ぐことをやめられ

ない俺に。


「ねぇ、好き?」


 麗は重ねて聞いてくる。

 それが重要みたいに。


「ひぁッ!壊れるっ…!」


 不意に兄貴のストロークが長く激しくな

り理性に引きずられてズルズルと停滞して

いた体が一気に絶頂へと追い上げられる。


「ねぇ、お兄ちゃん。

 ぼくのこと、好き?」

「あッ、はぁッ、好きっ、あッ、好きだけ

 どっ、あぁッ、今はっ」


 追い詰められた自分が何を言っているの

か分からない。

 “兄弟として好き”がまともに言葉に出

来ずに、兄貴にいいように揺さぶられてし

まう。





[*前][次#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!