悪魔も喘ぐ夜
*
ギシッ
「あッ…!」
言葉を探して沈黙する俺を兄貴の猛りが
穿つ。
麗を目の前にしても俺の体内でそれは萎
えることを知らず、ここぞとばかりに俺の
弱いポイントばかり擦り上げてくる。
震える声を抑えることが出来ない。
俺のそんなこともきっと全部わかってて
兄貴は俺を何度も突き上げてくる。
「兄貴っ、あッ、やめッ、はぁッ、まだ、
途中ッ…!」
「わざわざ言葉にしなくても見れば解るで
しょう?
…邪魔です。出て行きなさい」
ビクビクと震えて兄貴の猛りを締め付け
てしまう俺に笑いかけると、首も動かさず
に視線だけ麗にやって釘でも打ち付けるよ
うに冷たく言い放った。
ギリッと握りしめた拳が音をたてそうな
空気を纏いながら…しかし麗は出て行かな
かった。
いやだ…。来るな…。見ないでくれ…!
体は快楽に喘ぎながら、理性が耐えきれ
ずに悲鳴を上げる。
それでも、兄貴に貫かれて先走りを零す
俺をしっかりと見据えながら麗は近づいて
きた。
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