悪魔も喘ぐ夜
*
「選ばせてあげますよ、駆。
僕に吸われるのと、ココを擦られてイク
のと、どっちがいいですか?」
「ぁッ、はぁッ…!」
滑る指先で弱いポイントを繰り返し擦ら
れて腰が震えた。
しかしそれもすぐに手が止まり、どっち
がいいのかと兄貴の意地悪い目が俺に尋ね
てくる。
「っ……!」
選べというのだ。
どちらで気持ち良くなりたいか。
どちらで喘いで、放ちたいのか。
それを俺に選ばせようなんて、なんて意
地悪なのか。
迷った。
でも体のことを思えば、答えは決まって
いる。
「あ…兄貴の、挿れて…」
本当に顔から火が出るかと思った。
いくら体が辛くて早く終わらせたいから
って自分から求めるなんて。
「おや…大胆ですね。
そんなに僕のが恋しかったですか?」
兄貴はちょっと意外そうに笑って唇を吸
ってきた。
俺がそのキスを受けて吐息を零すと体内
から兄貴の指が抜かれた。
何かで濡れた後口が異物を失ってキュン
と窄まるのが切ない。
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