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悪魔も喘ぐ夜
*


 目尻から流れた跡に兄貴の唇が触れた。

 目の前の体に恐る恐る…だがしっかりと

抱き着いた。


「お願い…兄貴の部屋、行こ…?」


 腕の中でピクリと兄貴の体が震えた。

 夜の闇の中で兄貴がどんな顔をしている

のかはわからないけれど。


 麗が寝ている横で、なんて…嫌だ。


 ただその一心だった。


 どうせ俺が嫌だって言っても兄貴は言う

こと聞かないんだから…。


「んっ…」


 兄貴の唇が触れた。

 先ほどまで血が滲むほど噛みついてきた

歯は唇に軽く当てられるだけでそのまま吸

い上げられる。

 半開きになった口に今度は舌が入り込ん

できて、俺の舌を擽ってくる。

 怯えつつも舌を差し出すと、絡め取られ

て吸われた。


「ふっ…んんっ…」


 痛みの後の快楽だからなのか、余計に気

持ちいい。

 痛みで強張っていた体が快楽で解れてい

く。

 鼻からぬけるような声が漏れると、吸い

上げたばかりの口内から唾液が流れ込んで

きた。


 兄貴が痛くしないなら、もうなんでもい

い…。


 その唾液を喉を鳴らして呑み込むと、よ

うやく唇が離れた。





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