悪魔も喘ぐ夜 * 夢を見た。 夜のような真っ暗な闇の中、裸のまま鎖 のついた首輪をつけられ、その鎖の先は兄 貴が握っている。 鎖を引かれ、足を組んで座っている兄貴 の上に倒れ込みそうになる。 しかしその前に肩を掴まれて止められ角 度を変えられて、スローモーションのよう にゆっくりと近づいてきた兄貴の唇が触 れ… “ダメだよ、お兄ちゃん。 そっちじゃない。 こっちだよ” 後方から光が降り注いだ。 あたたかい掌が背中に触れて、後ろから 抱きしめられた。 この声は…麗…? そこまで考えたところで意識が浮上し て、目が覚めた。 目覚めると隣で麗が眠っていた。 あの後、腰を中心に麗にマッサージして もらって…そのまま気持ちよくなって寝ち ゃったのか…。 記憶を辿って納得すると、空気に触れて いる麗の裸の肩に掛け布団を引き上げた。 それで起こしてしまったのか、麗の目が 開く。 [次#] |