100%の管理 飼い主の義務。 緩く巻いてある綺麗な髪に指を通す。 名前を呼ぶと、彼女は恐る恐るといった風に顔を上げた。 デスクに腰掛けて脚を組み、ヒールを片方脱ぎ捨て首を傾げてみせる。 何も言わずともそれだけで理解した彼女は、黙ったまま私の足先に口付けた。 どうしてこんなに物分かりのいいコなのに、いつまで経っても悪戯好きは治らないのか。 「ん…、は…」 「ふふ、結構ですよ、ストッキング履いてますし」 舌まで這わせようとしてくれたところを笑って制する。 恥ずかしそうに俯いた顎を持ち上げ、濡れた唇を拭うように指を滑らせた。 「さぁ、いらっしゃい」 素直に立ち上がり私に身を預ける彼女を抱き締め深く口付ける。 角度を変えながら何度も何度も、熱い舌と唇の弾力を楽しむ。 彼女から小さく漏れる声と共に身体の力が抜けてきたのを感じ、私の服をきゅっと掴んでいた手を解くとデスクの上につかせた。 彼女の正面から身体を移動させつつ、もう片方の手もデスクへと導く。 結果的に彼女は、両手をデスクにつき、少しだけお尻を突き出したような格好になった。 「あの…伊織さん」 隣に寄り添い、妙に優しく頭を撫でる私を遠慮がちに窺う瞳。 私はその瞼にキスをすると何か言いたげな様子を無視して後ろに周り、タイトスカートを捲り上げる。 そのまま首筋に少し噛み付いて胸で軽く背中を押すと、彼女は一瞬戸惑いつつも両肘を曲げ、デスクに伏せるような形になった。 「これはやっぱり…」 「えぇそうです」 迷った挙げ句下着とストッキングは全て脱がさず、脚の付け根まで下ろすことにした。 露わになった肌触りの良いお尻に手を這わすと、彼女はくすぐったそうに身を捩る。 ふと見れば彼女の両手は固く拳を握っており、深い呼吸を必死で一定のリズムに保ちながら繰り返していた。 これから起こることを全て理解しながらも反抗しようとはせず、黙ってただただ耐えようとしているのだ。 何ともいじらしく、愛らしい姿に私の身体は震えた。 「では、始めますよ」 言うやいなや自らの右手を彼女のお尻目掛けて勢いよく振り下ろす。 「ッひあぁッ!」 彼女と私以外殆ど踏み入ったことのない部屋に乾いた音が響き渡る。 痛みで強張った身体が緩んだ瞬間を狙って再び平手を食らわせると、更に甲高い声が上がった。 少しだけ撫でてやってからまた叩き、それを何度か繰り返し行う。 数分もしない内に真っ白だったはずのお尻は赤みで覆われ、呼吸は甘い声混じりに乱れていた。 「っはぁ…ぅ、ごめんなさぃ…」 身体を支えるのさえいっぱいいっぱいな彼女。力が入らないのだろう、発音もどこか舌っ足らずだ。 「何がです?」 「悪戯して…ッ伊織さんを困らせてしまって、ごめん、なさい…」 私はクスリと笑うと一度振りかぶっていた腕を下ろし、赤く腫れ上がった部分にねっとりと舌を這わせる。 「あぁぁッ、はぅ…あ…ッ!」 叩かれ撫でられすっかり敏感になっているそこは、それだけで彼女が理性を手放しそうになるほどの快感を与えているに違いない。 「雪耶さん、これはお仕置きではなく、躾なのです」 唐突な私の台詞に、潤んだ瞳を肩越しにこちらに向けてきた彼女。 いくら彼女でもこの意味は理解できなかったと見え、不思議そうに私の次の言葉を待っていた。 「雪耶さんが謝る必要などないのですよ。躾は定期的に行う、それだけのことです」 自分が出来うる最上級の笑みを浮かべてそう言ってのけると、彼女は頬をひきつらせたまま固まってしまった。 自分の言っていることに勿論何の疑問も矛盾も感じていない私は、心外な態度にわざとらしく首を傾げた。 ワンちゃんとの上手な暮らしかた (鬼…!) (…お仕置きも追加致しましょうか?) (ひっごめんなさいッ!) ※10000hit企画「悪戯」の続きだったりします。 [戻る] |