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愛してマスター!
おやつタイム。

今日のおやつは、マスターお手製のパンケーキ。
お月様みたいに黄色くてまあるくてふわふわの生地に、自家製ブルーベリージャムをたっぷり塗って…


「いただきまぁす!」
「はい召し上がれ」


勢いよくパクついた口いっぱいに、上品な甘さと絶妙な酸味が広がる。


「美味しいっ!すっごく美味しいです流石マスター!」
「よかった。ゆっくり食べてね」


マスターはちょっぴり照れくさそうにしながら、テーブルに紅茶を二人分置いて隣に座った。
あたしのカップに添えられた角砂糖は3つ。あたしの好みをちゃあんと覚えててくれてるの。


「あ、ほら、ついてる」


フォークに伸ばそうとしていた筈の手が、ふいにあたしの顔へと方向を変える。
あれ、あたしったら、ほっぺにジャムをくっつけちゃってたみたい。


「だからゆっくり食べなさいって言ったでしょ?」


そう言ってマスターは、あたしの頬に指を滑らせた。

ただ、ジャムを拭い取って貰ってるだけなのに、細められた瞳と柔らかい指にぞくぞくしてしまう。
頬から離れた指でてらてら光るジャムが妙にいやらしく見えてしまって、あたしは自分の限界を悟った。


「マスター…」


その手を捕まえて、赤紫に染まった細い指を口に含む。
驚いたような声が上がるのも聞こえない振りして、あたしはジャムを綺麗に舐め取った。

一度口を離してから今度は、根元の方から丁寧に丁寧に舌を絡める。
もうとっくにジャムの味なんてしないというのに、あたしはそう、マスター自身を味わうのに夢中になっていた。
指の股に舌が触れた瞬間ぴくんと小さな反応を感じて、あたしはますます止まらない。


マスター、あたしこのまま、マスターの全てを味わいたいです。
マスターの腕は、胸は、背中は、脚は、秘密の場所は、どんな味がするんですか?

あたしだけに教えて下さい、マスター…


「やだキュナ、猫みたい」


いつもの困ったような笑顔で、あたしの頭を優しく撫でるマスター。
…あたしはその平和過ぎる一言で、まんまと我に返ってしまった。


「ぅあ…ごめんなさい…美味しそうで…つい」


ごめんなさい!ごめんなさいマスター!
あたしにゃんこなんかじゃないですそんな可愛らしいもんじゃないです。
美味しそうなのはジャムじゃなくて貴女の方だったんです汚れきった考えでペロペロしちゃってごめんなさい!

あぁでも…でも…っ!




誠にご馳走さまでした。




格別美味しかったですごめんなさいマスター愛してます!








※ジャムの甘さ3割増し!

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