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柔らかな束縛
可愛い唇(歌詞引用)

見つめ合って、抱き合って、キスなんか、しちゃったりして。
絹華にされてもボクからしてもいつまで経っても、溢れ出しそうなドキドキは変わらない。


「廻の唇って、さくらんぼみたいよね」


絹華の指先が意味あり気にボクの頬を滑り降り、そして唇をつつく。
気恥ずかしくて、考える振りをして目線を空に泳がせる。


「サベックスのせいじゃない?」


自分でも分かる、愛用のリップクリームの香り。
甘い甘い、アメリカンチェリーフレーバーだ。


「それもあるけれど…」


しかしその先の答えを聞くよりも前に、唇がもう触れていた。
絹華の長い睫毛がボクの瞳いっぱいに映る。
あまりにも綺麗でずっと見つめていたかったけれど、それも野暮なのでそっと目を閉じた。

視界を遮ったことで、耳の側で鼓動が波打つ音がますます大きく響く。
脈拍数と共に幸せな気持ちが急上昇して、何だか涙が零れてしまいそう。


「美味しい」


離れてから直ぐに美しく孤を描いた唇に、思わず目を奪われる。


「弾力があって、色つやが良くて…」


赤くつやつやと僅かに濡れて、ボクのリップクリームの香りが移ったソレが言葉を紡ぐ。
絹華の唇だって、まるでさくらんぼみたい。


「何よりとても甘いわ」


そしてまた交わす口付けも、とろけそうな程どこまでも甘い。
深く深く味わえば、文字通り時間を忘れてしまう。


「絹華」


キミとこうしてずっと、繋がっていたい。
全部頂戴。全部あげるから。ねぇ、


「大好き」




さくらんぼキッス!




(あれれ?世界がぐるり、回ってる……)








※歌詞引用&参考:KOTOKO「さくらんぼキッス〜爆発だも〜ん〜」

どうしてもお話にしたかった、あまりにも可愛い曲。

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