アンタとオレの関係
-07
障害物リレーから戻ってみれば、そこにはたいそうお怒りモードの面々がいた。
『ただい、まー……』
「「「…………………」」」
………1位じゃなかったからってこの対応はひどくね?
なんか俺、すっごいヘコんできた。
そして。今日は意外な人が一番に第一声を発した。
「遼」
『あい………』
「あっちで何してた?」
『ゴメンナサイ』
「何してたかって俺は聞いてんだけど?」
『何してたって言われましても』
俺的には全力疾走したよ?
がんばったよ? おれ………。
「あれはなかったよねー」
裕行会長まで!!
た、たしかに、周りの視線を気にし過ぎたかもしれないけど!
「で、永作先輩とはどういう関係なんだよ?」
は? 永作先輩??
『なんでそこで永作先輩??』
そう言った途端、周りが目に見えて脱力した。
「お前はなにについて責められてたと思ってたんだ?」
『え、永作先輩に大差つけられて負けたこと』
「ハァー……」
健ちゃんお疲れモードだね。
「そっちじゃねーよ。お前、自分が走った後に名倉先輩が出たの見たか?」
『え。名倉先輩出てたっけ?』
「ああ。そうやってレースも見ないでお前は何してたんだ?」
やぁっと怒られてる理由がわかった。
『次からはちゃんと応援しマス』
「「「ちっげーよ!!」」」
ぇえ!? じゃあなに?
「お前、永作先輩に押し倒されてたろ」
『うん』
「いや【うん】じゃないしね」
「なんであんなことになったんだ?」
『俺が自分の世界に入り込んでて永作先輩の呼びかけに気づかなかったから』
「あぁそう………次からは気をつけとけよ?」
『んー? なんで?』
「なんでっておま……あぶねーだろ?」
『危なくないよー遊んでただけだし。頭は支えてもらってたもん』
「あ゛ー……うん、なんかもういいわ」
『そう?』
「ああ」
なんだかさらに疲れたみたいな健ちゃん……はいいとして、こういうとき絶対に文句を言う夾が何も言ってこない。
どうしたんだろう?
そう思って目をやった先には運動場を見てこちらに横顔を向けている夾がいた。
なんでなんも言ってこないんだろ?
いつもはなんか言ってくるのに……。
俺、なんか夾の気に入らないこと……した??
そんなことを考えながら、夾に近寄っていったら、視線はこっちに向かないまでもその大きな手が頭に乗せられた。
なんか……あったかいな………。
◆◇
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