アンタとオレの関係
連れ去られた!
「 !」
誰かに呼ばれてる気がする。
「 …… ま!」
頭が重い。悪いけど、もう少し寝かせて…。
「和巴さま! 大丈夫ですか! 起きてください!」
…………和巴【さま】?
目を覚ますと、目の前には僕の親衛隊の幹部の子が2人。
心配そうな顔で、僕の顔を覗きこんでいる。
「和巴さま。こんなところでどうされたんですか?……顔色は悪くないようですが。」
『こんな…ところ?』
「はい。だってここ、東校舎ですよ? 僕たちは移動教室でこちらにいましたけれど、和巴さまは南校舎にいる時間帯ですよね?」
『…………………遼、は?』
「佐倉くんを探していらっしゃったのですか?」
『っ! 違う! 僕は遼と一緒にいたんだ!』
僕がそう言うと、2人は顔を見合わせた後、絶望的な一言を言った。
『僕たちが見たときは、和巴さまお一人でしたが。』
僕は無言で携帯を取り出した。着歴を調べると、健から電話がかかってきてから10分以上経っている。
その時、携帯が震えた。
《和巴、お前らいつになったらこっちに来るんだよ?》
『健………遼がいなくなった』
《………………………は?》
それから僕は、ことのあらましを健に伝えた。
健は、蒼太を保健室に連れていってから合流することになった。
「和巴さま、僕たちも何かお手伝いできませんか?」
『…………君たちは、遼の親衛隊にこのことがバレないようにしてくれる? まだあそこはできたばっかりで、統制も何もないから。あと、探し回る必要はないけど、遼を探す手伝いをしてほしい』
「わかりました。では、我が親衛隊の連絡網を使って、確実に佐倉くんが【いない】教室を調べておきます」
『助かるよ。ありがとう』
「///っ! いえ! これぐらいしかできませんが。」
「和巴さま、お体の具合は…?」
『一時期的に麻痺させられてただけみたいだから。大丈夫。』
とにかく、今は一刻も早く、遼を見つけなきゃ!!!
◆◇
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!