アンタとオレの関係
電話で密談
消灯時間後、和巴は自室で受話器を手に難しい顔をしていた。
受話器の向こうからは、低めな男の声が聞こえる。
《あの会計は、遼に手を出してくると思うか?》
『あたりまえでしょ。遼のこと好きみたいなんだから。』
(それもかなり、ね)
《なんかめんどくせーなー。違えばいいのに。》
『それはないね。だって、遼があの会計に会った時期と、あいつがセフレ全員と切った時期が一致してるもの。』
(認めたくないけど、事実は事実)
《嫌な一致だよな、ほんと。》
『それに、遼が逃げ去っていくときのあいつの顔見た? 遼が逃げたっていうのに、嬉しさを隠しきれていなかったよ?』
電話の相手は、しばし黙り込んでしまった。
何やら考えているようだ。
《………遼って、ノンケだよな、あいつ。》
『少なくとも、今のところはそうじゃない? この学校の説明したときも驚いてたし。』
《なのに、いきなりあの強敵か。》
『………ひとまず、僕たちの誰かが、必ず遼の側にいることが必要だね。だいたい、気をつけなきゃいけないのはあいつだけじゃない。』
《リョーカイ。まぁ、まだ1日目だし。しばらく様子見たほうがいいかもな。》
『この学園に入って早々、嫌な目に合ってほしくはないしね』
その後もしばらく、二人は電話で話し続けた。
神妙な面もちをした2人の夜は、こうして更けていったのだった。
◆◇
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