アンタとオレの関係
濃い家族
着陸して、入国審査を受けた後。
ゲートをくぐると、予想通りの光景が広がっていた。
「遼ちゃーん! 悠ちゃーん!」
「待ってたよぅ! 弟たち!!」
「りょうぅぅぅ・・・・ゆうぅぅぅ・・・・」
出た。出たよ。
やけやたらと明るい母さんに、満面の笑みの兄さん、そして、何故か半泣きしている父さんが。
『父さん、泣いてない?』
「感涙ってやつでしょ?」
テンションが上がりまくりな父母と長男に対し、こちらは長いフライトの間、ひたすら勉強をしていたせいで、お疲れ気味である。
((あー・・・・・・ムリ・・・・・・・・・))
それでも、ハイテンションな家族の元に行かないわけにはいかない。
真っ先に飛びついてきたのは、長男だった。
「待ってたよー! 悠樹、遼。もー、二人ともますます可愛くなって!!」
「やめてよ兄さん。20歳越えた男に可愛いも何もないでしょ?」
「そのツンな態度が超かわいいvV」
「……………」
悠にぃ共々、疲れて飽和状態の頭をぐしゃぐしゃにされ、脳みそがぐらんぐらん揺れた感じがした。
その状態のところに。
「遼ー! ごめんねごめんね! 突然海外に言っちゃった父さんと母さんを許して!」
半泣きの父さんがタックルしてきた。
『ぐぇっ』
とてもじゃないけれど御年46歳とは思えない俺らの父さん。
俺も父さんに久しぶりに会えて、嬉しいことは嬉しいけど。
もう少し、愛情表現の過激さを抑えてくれると嬉しい、な。
「父さんばっかりずるいっ!!
遼ーvV 久しぶりにお兄ちゃんが肩車してあげよっか?」
『え? ぇえ!?』
「兄さん……遼、175cmあるんだけど………」
「俺よりは小さい!! ほーら、遼おいでーvV」
確かに、1年ぐらい前には兄貴に肩車されてた。
でもそれは、俺の身長が今より10cmぐらい低かったのと、俺がまだ中学生だったのと、何より家の中だったからだ。
だけど、今の俺は170cmの大台を余裕で越え、しかも高校生だ。
何より………
『ここ、空港じゃん!!』
「そこ?!」
悠にぃが、普段じゃありえないくらい大きな声を出した。
………あれ?
「そーかそーか! じゃあ、お家に着いたら肩車してあげるねvV」
あ。
まずった。
◆◇
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!