アンタとオレの関係
そして
その後の教育実習期間は、それはそれは楽しかった。
怜史はいろんな生徒に懐かれていた(※実際は小柄な生徒にだけモテていた)し、その割には俺たちのところにいる時間も長くて(※誘われても断りまくって遼に癒やしを求めにきていた)、やっぱり大人ってうまく振る舞えるものなんだなぁと(※顔さえ良ければなんでも許されるこの学校の慣習のおかげ)感心してみたり。
そんな怜史の授業はわかりやすくて、今回の単元である数列なんか、俺バッチリ頭に入ったし。
え? それは1年の3学期にやる範囲だって?
しょうがないよ進学校だもの。因みに2学期からは2年生の範囲をやるらしいです。
それもこれも内部生が中学3年の冬に高校の勉強に入っているからできることなんだけどね!
外部の俺には辛いよ………。
んで、あっという間に楽しい楽しい2週間が過ぎまして。
「では、これから小テストを始めます」
魔のテストがやってきました。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「はい終わり。後ろの人は集めてきて」
途端にざわめく教室内。
小テストと題した、しかし内容量は定期テストと同等のテストが終了した。
『くぁー……おわったー!!』
「つ、疲れた……」
蒼太がぐったりしている。健ちゃんなんて机に突っ伏してるし。
「でも、教育実習生の作る問題だから、なんか新鮮で面白かった」
「確かに」
そんな信じられないことを宣ったのは、涼しい顔をした和葉ちゃんと有志。
……いいよね、頭のいい人は。
俺なんか教育実習期間は楽しかったけれど、それと同時進行でテスト勉強してたからちょっと疲れ気味だよ…………
「テストが終わったのは嬉しいけれど、これから夏休みだよねえ。みんなと会えないのは寂しいなあ」
ちょっ。蒼太!
なんてカワイイことを言っちゃってるんですか!?
「ね。夏休み中に、連絡取り合って、みんなで一度会わない?」
「それいいな」
「遼は?」
『大賛成!!』
というわけで、夏休み突入です。
◆◇
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