アンタとオレの関係
癒やし?
『つまり、お仕事をしたくない裕行会長がここに逃げてきたて、夾たちはそれを探していたと』
「大筋はそんなとこだな」
『…………裕行会長(ため息)』
すると、裕行会長は焦った様子で弁解を始めた。
「だって、大嫌いなテストがようやく終わったってのに、その直後から仕事やれだなんて酷以外の何ものでもなくない?」
『まぁ……そうですけど』
「だいたい、俺の仕事はみんなが分担してやった仕事の最終チェックがメインだから、他の人より後から仕事に入った方が効率的だし、何より仕事の量が多いわけだよ」
『はぁ……』
「そしたらさ、みんなの仕事がある程度進むまで、俺は後の仕事のために癒やしを求めても罰は当たらないと思うわけ」
『まぁ……理解できます。けど、そこに俺を巻き込むのはいかがかと』
「何を言ってるんだい遼くん! 遼くんがその【癒やし】なんだから、巻き込むも何もないよ!!」
えー…………嘘だろ、ソレ。
『俺は癒やしにはならないと思いますケド………』
「いやいや。遼くんをこうやって抱っこしてるだけで癒やされるもん、俺」
せんせーい、ココに価値観がおかしい人がいます!
「癒やしが欲しいまでのくだりはわかったが、そこに遼を巻き込まないで欲しいんだが」
そう言って、裕行会長の膝から俺を抱き上げる夾。
って俺、一応175cmの長身なんですケド。
あ、キミたちよりは低いよ? 確かに。
でも、俺は決して小さくはないんじゃい!
それより何より。
外野がキャーキャーうるさい。
そしてこの従兄弟同士はまた、そんなこと関係ないみたいな顔して言い争いしてるしね。
「…………独り占めは良くないと思うよ夾くん」
「てめぇも似たようなことしてただろうが」
やめろよ、デカいの2人で睨み合いとか。
「先輩方、もう先生がいらしているんですが」
『え…?』
デカい2人の怖い言い争いに割って入った勇者和巴ちゃんが言った言葉に、思わずフリーズ。
恐る恐る教壇に目を向けてみれば、爽やか笑顔の我がクラスの担任、中山先生がいらした。
や、やばい。この状況だと、俺が怒られるんじゃねぇ?
焦った俺は、思いっきり息を吸い込み、その後叫びました。
『も、みんな帰れええぇぇええ!!!』
その直後。
裕行会長を筆頭とした生徒会のメンバーは、おとなしく帰っていきました。
……………いつもあれぐらい扱いやすかったら楽なのに。
◆◇
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