アンタとオレの関係
エレベーター
体育祭も終わり、打上にて夕飯も食べ、お風呂にも入って今は22:00過ぎ。
俺は寮のエレベーターの中にいます。
……そうです。夾くんの呼び出しに律儀に応えているのです。
俺ってばエラい。
夾は確か、1007号室って言ってたから、おそらく10階だろう。
そう検討をつけて、【10】のボタンを押したけど。
何も起こらない。
………そういえば、なんか違うボタン押せみたいなこと言ってたな。
誰がいつ入ってくるかもわからないエレベーター。
もし今誰かが入ってきたら、行き先の階を指定せず、ただただエレベーターの中にいる俺って不審者扱いされるんじゃ………そんなことを考えながらも、見つけた【通話】ボタンをプッシュ。
《通話なさる部屋番号を押してください》
『Σ!!』
じ、地味に驚いた……ι
跳ね上がった鼓動をなんとか落ち着けたけども。
『部屋番号ってどこ押すの……』
肝心なことを説明しなかった夾に苛立って、適当に【10】階のボタンと【7】階のボタンを押してみた。
……………………………………。
応答ナシ。
『………どないせーっちゅーねん』
しばらく待ってみるも、やっぱり応答ナシ。
『………………………………』
もうちょっと待ってみるも、やっぱり応答ナシ。
『夾のばーかばーか!! 呼んだのそっちなのに! 俺もう帰る!』
《それはダメだな》
『Σぅおわっ!』
びびびびっくりしたー!!
《すまない、お前が転入生だってこと、すっかり忘れてた》
『い、いや。ダイジョブ』
いや、大丈夫じゃないけどさ。
『っていうか、いるなら返事しろよ……』
《風呂に入ってたんだ。本当に悪かったな》
なんかここまで素直な夾って……
『キショ……』
《あ?》
『な、なんでもない! で、俺はどうすればいいの?』
《【10】階のボタン押して上まで来い》
『さっき押したけど無反応だったよ?』
《そりゃ誰も許可してなかったからだろ。もう上に来られるようにしてあるから》
『ん、わかった』
《部屋のドアはロックかからない程度に開けとくから》
『はーい。んじゃあ、切るね』
《ああ》
―― プツン ――
さて、いざ参らん!!!
◇
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