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短編集
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青い空、白い雲、照り付ける太陽の光、上を見上げればカモメが飛び、耳を澄ませば波の音。そう、俺は今・・・海のど真ん中にいる。


魅砂瑚島(みさごじま)。東京都小笠原諸島の西の端にあるその島が、俺が今向かっている島であり、俺に依頼の手紙を送ってきやがった奴の島でもある。

『突然の御手紙で申し訳ありません。ですが、どうしても解決して欲しい事件があるんです。もし御受けくださるのなら、同封したチケットで私達の島まで来てください。よろしくお願いします。』
魅砂瑚島に行く定期船の中で俺は手紙を読み返していた。
まあ、断る理由も無いし入っていた電車の切符も本物だったので俺はこの依頼を受けることにした。
《まもなく〜魅砂瑚島です。御降りになる際は忘れ物に〜御注意ください》
俺はアナウンスを受け甲板に上がった。
魅砂瑚島が目の前に見える。島を見渡していると、左手にある岬からこちらを見ている女の子がいた。
気のせいかもしれないが俺はその子と目が合った気がした。よく見ようと目を凝らすが船が港に入り岬は見えなくなった。
島に降り立った俺の目の前に典型的な離島の風景が広がった。
俺はさっき見た岬に行くことにした。
歩いて30分、やっと岬に到着した。万年空腹の俺には、この太陽の下での道程は過酷だった。
息を整えて周りを見渡す。
岬の先にまで行くが、もうそこには誰もいなかった。
「・・・あの〜」
後ろから声をかけらた。
振り向くとそこには一人の少女が立っていた。
真っ白なワンピースに腰ほどまでありそうな髪は先をリボンで纏めてある。
「もしかして、探偵さんですか?」
遠慮がちに声をかけて来る。

「ええ、一応。もしかして、貴方が手紙を?」

少女の顔がみるみる笑顔になってゆく。

「はい!私、高峰燐っていいます!探偵さん、どうかこの島で起こっている事件を解決して下さい!!」


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