BL小説群 prologue 何年も前からずっと変わることのない日常。 朝起きて、義弘・義人と一緒に学校に行って。 美術室に寄って、嶋先輩と神崎とくだらない話をしてから教室へ行く。 途中で朝練の終わった日下と合流する時もあるし、しない時もある。 面倒くさいけど授業を受けて。 休み時間にはクラスメイトとくだらない話をして。 変化のないメンバーで昼飯 in 屋上。 午後の授業は昼寝か空を見てるかして終わる。 部活のある日は部室に行って。 委員会の会議や当番の日は図書室に行って。 何もない日は寄り道してから帰る。 帰りの時のメンバーはいつも違うけれど、一人で帰ることはまずない。 何もなかったらもちろん義弘と義人は一緒だし(時々、俺の部活の後まで待ってる時もある)。 委員会の日はたいてい日下と一緒(時々、穂積さんとも帰る)。 部活の日は言わずもがな、嶋先輩と神崎と一緒(時々、岸本センセが送ってくれたりもする)。 近すぎも、遠すぎもしない距離。 互いのテリトリーを侵すことのない関係。 ただの「友達」や「後輩」や「先輩」や「生徒」のままの存在のオレ。 ――何を、悲しむことがあるのだろう。 彼らは男で。 オレも男で。 オレが彼らに抱く感情は、世間一般で異質という類のモノで。 叶う筈はないのだから、最初から全部、あきらめておく。 執着して、後悔しないように……――。 [*前へ] [戻る] |